2024年11月24日(日)

WORLD CURRENT

2011年5月26日

 最後に、日本経済の先行きとも絡み、世界経済全体の見取り図はどうなるか。カギを握るのは中国のインフレだろう。中国の消費者物価上昇率はすでに5%台に乗せている。経済格差の拡大や家賃の上昇も手伝って、インフレは市民の怨嗟の的になりつつある。遅ればせながら中国当局もインフレ抑制に政策の比重を移さざるを得なくなり、利上げを続け不動産価格の抑制を強化している。

 こうした策は、11年後半にかけて効果を発揮してくるとみられる。中国経済は徐々に減速傾向をたどるだろう。中国需要の減退を見込んで、すでに一次産品や海運市況は下落の兆候をみせつつある。

 日本にとっても、こうしたシグナルは見逃せない意味を持つ。視線を内にばかり向けていることのリスクはかくも大きいようにみえる。

◆WEDGE2011年6月号より


 

 


 

「WEDGE Infinity」のメルマガを受け取る(=isMedia会員登録)
週に一度、「最新記事」や「編集部のおすすめ記事」等、旬な情報をお届けいたします。


新着記事

»もっと見る