2024年12月8日(日)

中年留学日記

2011年7月26日

 ボストンについたのは6月下旬の夜10時過ぎだった。残念なことに、ボストンへは日本からの直行便がなく、17時間あまりかかる長旅はさすがに疲れた。

機内で眠りこけていたため、必ず提出しなければいけない入国書類を機内で書くのをすっかり忘れていた。入国審査の係官に指摘されて初めて気付く始末だ。書類を書いて、再び列に並んでいざ係官に出すにあたって、今度はなぜだかさっき書いたはずの書類が手元に見あたらず、また立ち往生。もう一度書き直しかと焦っているとスーツケースの間に挟まっているのが見つかった。

 雰囲気を取り繕うために「Good evening」などとお愛想で言ってはみたものの、私の独り相撲の一部始終をみていた入国係官は一言も発せず、いやーな感じでハンコをついた。しかもこの騒ぎで、乗り継ぎ便はターミナルを必死に走ってぎりぎり間に合うドタバタだ。乗り継ぎの間に免税品の買い物などを予定していた妻は終始むっとした表情だった。

荷物の超過料金8000円!

 余談だが、成田で預け入れ荷物として持っていたスーツケースの2つの重量がエコノミーの規定重量の23キロをわずか2-3キロ超えてしまったために、1個あたり8000円近くも超過料金を取られてしまった。2キロぐらいの超過で、まけてくれないのかと一応、食い下がったが、全く相手にされない。

 「ここで詰め替えてもいいですよ」とカウンターの女性に冷たくいわれたが、後ろには長い列ができており、さすがにそれをする勇気は出なかった。聞けば、北米航空会社は荷物1個あたり何キロと厳しく決められているところが多く、1キロでも超えると超過料金を請求される。支払わないと搭乗券を出さないと言うのだから、もう払う選択しかない。航空会社によって対応も違うようなので、それぞれ確認の必要はあるのだが、気分的にはかなり落ち込んでのアメリカ入国となった。

ボストン市内の風景(写真は、世界有数の日本美術コレクションを所蔵するボストン美術館)

 翌日、不動産屋さんからカギをもらってこれから1年暮らすアパートに入居した。ボストン周辺はハーバードやマサチューセッツ工科大学(MIT)、タフツなどの学校が集結している。こちらの大学のアカデミック・イヤーの終わる5月、6月には2万人とも3万人とも言われる人が出入りする時期となり、良い物件は争奪戦になるそうだ。

 当初は、こちらに来てから住む場所を決めようとおもっていたが、いろいろな人からボストンは事前に決めておくと良いですよ、とアドバイスされていたため、あまり気はすすまなかったが、インターネットで物件を調べ、事前に契約していた。結果的にこの選択は正解だった。なかなかみつからず、ホテル暮らしを長く続けて、苦労している人は周囲にも多い。

 家賃は大まかに言えば、東京の都心部の2LDKの賃貸マンションぐらいの水準か。正直高く、節約第一主義の我々には厳しいところだ。全米で比べてもボストンの家賃相場はかなり高いようで、今年は特に良い物件が賃貸に出にくくなっている傾向があるとのこと。不動産屋さんによると、不動産価格がこれまで下落を続けており、家を買っても上がる見通しがたたないことから、地元のアメリカ人自身が賃貸物件に住み続け、留学生などに回る賃貸用の物件が少なくなっていることが原因らしい。


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