2022年11月30日(水)

Wedge REPORT

2018年10月23日

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家庭用ゲーム機程度のコンピュータで月に行ったアポロ計画

 月を宇宙へのゲートにする理由は分かったとして、50年近く前の「アポロ計画」における技術でも月面着陸をしているのだから、意外と簡単に行けてしまうのでは? と素人考えでは思ってしまうが、どうなのだろうか。

 「確かに、計画、計算、そして物理法則といった机上の問題に変化はありません。そのなかで、計算機(コンピュータ)は、初期の家庭用ゲーム機程度の能力で行われたアポロ計画の時に比べて大きく進化しています。ただし、アポロ計画で使用されたサターンロケットのような、巨大なロケットを、今は作っていません。このようなハードの部分に関しては、製造が一度途絶えたこともあり、ある程度ゼロベースで進めていく必要があります」

 NASA(アメリカ航空宇宙局)は、「月近傍ゲートウェイ構想」に向けて新型ロケットの開発を進めており、JAXAや欧州宇宙機関は、軌道プラットフォームから、月面への着陸船の開発を進めることになる。アメリカはといえば、NASAとしてはすでに月面は着陸済みなので、民間主導での月面着陸を目指すそうだ。

(出典)JAXA「小型月着陸実証機(SLIM)の計画見直しについて」より 写真を拡大
 

 さて、こうしたなかで気になるのが中国の動きだ。2011年には、独自の宇宙ステーション「天宮1号」を打ち上げ、2020年までの完成を目指している。2013年には、月探査機「嫦娥3号」で月面軟着陸し、アメリカ、ソ連に次いで成功した国になった。そして、今後、有人月面着陸を目指すとされている。

 「どこのタイミングかは不明ですが、中国も独自路線から協力関係へとシフトするのではないかと考えています。米ソも、アポロ計画後は協調しました。かつての南極探検もアナロジーになります。各国が南極点到達を競いましたが、現在は『南極条約』のもと、国際協調の体制がとられています」

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