中東を読み解く

2018年10月27日

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擁護から批判に軌道修正

 過失というサウジの発表を「信頼する。最初の大きな一歩」と評価したトランプ大統領も「史上最悪のもみ消し」と非難に転じ、その姿勢をサウジ擁護から批判に軌道修正した。大統領はもみ消し工作が「完全に失敗に終わった」とし「事件は起きるべきではなかったし、言い訳もすべきでなかった」とたたみ掛けた。

 頼みのトランプ大統領の姿勢が変化したのに加え、英国のメイ首相、フランスのマクロン大統領が相次いでサルマン国王に電話し、事件の全容解明を要求。メイ首相はサウジの説明が「信頼性を欠く」と非難した。ドイツのメルケル首相もサウジへの武器売却を停止すると明言した。

 米欧からの圧力に直面したサウジは25日、検察当局が「実行犯らが事前に犯行の意図を固めていた」と発表を三度替え、偶発的な出来事ではなく、計画殺害であったことを認めた。ムハンマド皇太子もリヤドの投資会議のイベントで事件に言及「憎むべき犯罪。トルコと協力して犯罪者を裁く」と怒って見せた。

 だが、追い込まれては発表をクルクル変えるサウジの姿勢は信用されまい。「都合が悪いことは隠すという昔からの王国のやり方だ。インターネットやソーシャルメディア全盛の時代であるのにかかわらず、情報鎖国の意識は変わっていない」(ベイルート筋)状況だ。危機に対処する「“スピンコントロール”が全く機能せず、逆スピンしてドツボにはまっている」(同筋)。

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