・インド太平洋地域の安定における米国の役割及び各々と米国との間の同盟の重要 性を再確認した。日本、豪州、インド及び米国の間の協力の進展を歓迎し、米国及びインドとの三か国及び四か国協力を強化する。
・イ ンド太平洋の平和と繁栄を促進する上でのASEANの役割を認識する。日豪両国のASEAN諸国への関与をより拡大する。
・安定かつ安全な海洋秩序の重要性を認識し、インド太平 洋地域における海洋の安全と保安に関する日豪間及び、日米豪三か国協力を強化する。モリソン首相は日本の海上保安庁巡視船「えちご」のダーウィン訪問を歓迎した。
・北朝鮮の全ての核兵器、大量破壊兵器及び弾道ミサイルの完全、検証可能かつ、不可逆的な廃棄を支持する。米朝及び南北間の議論を、包括的な解決に向けた一歩として歓迎する。北朝鮮に対する国連安保理決議の確実な遵守のため、北朝鮮籍船舶が関与する違法な瀬取りを含む疑わしい海上活動の監視活動で協力する。全ての国連加盟国に国連安保理決議第2397号に従うよう求める。北朝鮮に対し、その人権侵害を終わらせ、日本国民の拉致問題を即時に解決するよう求める。
・南シナ海情勢に深刻な懸念を示し、航行及び上空飛行の自由並びにルールに基づく地域及び国際秩序の遵守の重要性を表明した。海洋における紛争を平和的かつ、国連海洋法条約(UNCLOS)を含む国際法に従って解決することを求める。全ての当事者に、 係争のある地形の非軍事化を追求すること及び武力による威嚇又は武力の行使を行わないことを求める。
・東シナ海情勢について緊密な意思疎通をする。こ の地域において現状の変更を試み、緊張を高めるあらゆる威圧的で一方的な行動に反対する。
・インド太平洋の経済社会的強靭性、安定性及び繁栄のため、太平洋島嶼国との協働における日豪の緊密な協力を図る。
・国家及びその代理主体によるサイバー空間の悪意ある使用を抑止し、対応するため協力する。重要インフラを情報通信技術(ICT)の脅威から守る。
・本年7月、豪州宇宙庁が設立された。宇宙活動における日豪協力を強化する。
・二国間の医療、人工知能及びスマー トシティのためのIoT等への協力をする。
・本年10月17日、日本医療研究開発機構(AMED)と豪州の国家保健医療研究会議(NHMRC)が医療研究開発分野における日豪間で初となる協力覚書に署名した。
・本年は、豪州建国200周年を記念して1988年に日本から豪州に贈った国立科学技術センター設立30周年である。モリソン首相は、国立科学技術センターが科学について学ぶよう豪州の人々に刺激を与えてきたことに、日本に感謝した。
出典:外務省HP「日豪首脳会談」平成30年11月16日
上記の日豪間の「共同プレス声明」は、11月12日にペンス米副大統領の来日時に発出された日米共同声明を補完・拡充するものである。中国の「一帯一路」、AIIB(アジアインフラ投資銀行)への対抗措置でもあり、日米豪印のダイヤモンド構想を実現するものでもある。
安倍総理にとっては、アボット、ターンブル両元首相に続き3人目の豪州首相である。日本の政権の継続性は、外交を安定させる強みとなっている。
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