2024年12月11日(水)

立花聡の「世界ビジネス見聞録」

2018年12月12日

 ファーウェイ(華為)危機。副会長がカナダで逮捕され、日本は政府調達からファーウェイ等中国大手製品を排除し、さらに国内携帯電話大手3社が基地局などの通信設備から前記製品を事実上除外する。いまこそ踏んだり蹴ったりなファーウェイだが、つい最近まで我が世の春を謳歌するギラギラした中国企業だった。

写真:Imaginechina/アフロ

新卒初任給40万とは高いか安いか?

 何よりもファーウェイの給料がいい。同社日本法人の2017年「新卒初任給40万円」の求人情報が人事業界では有名な話題になった。同社は毎年10人前後を採用しているが、2015年以降、初任給を徐々に上げ、18年卒の理工系の大卒エンジニアを「40万1000円」、修士修了者を「43万円」に引き上げた(2018年4月14日付「SankeiBiz」)。

 40万円の新卒初任給とは、高いか安いか。一般日本企業の新卒初任給は20万円台が常識。日本経済新聞がまとめた「初任給ランキング2018」によれば、30万円を超えるのは楽天をはじめとする10社ほどのいわゆる特別な企業だけ。日本国内の相場感からすると、フォーウェイの新卒初任給40万円とは倍に当たる高給取りである。

 しかし、アメリカのシリコンバレーあたりにある世界トップクラスのIT企業の初任給といえば、年俸1000万円を超えるのも珍しい話ではない。優秀な技術人材を引き抜かれないように給料をどんどん上げていくしかないのである。そうした「グローバル・スタンダード」に比べると、ファーウェイの初任給40万円はいかにも見劣りする。

 ただし、給料額の単純比較を展開するつもりはまったくない。それがナンセンスだからだ。企業経営面から賃金という人件費を評価する目線を取ってみたいと思う。


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