死活問題
また、たとえケガをしなくても、WBCで調子を崩し、それがレギュラーシーズンにも影響して好成績を挙げられなかった、と訴えている選手も少なくないという。それが契約更改で年俸を抑えられる原因につながった、いう選手もいるそうだから、まさに死活問題である。
そうした諸問題は今月22日、選手会とNPB(日本野球機構)の事務折衝でも議題に上げられた。西武・秋山翔吾、巨人・丸佳浩ら、侍ジャパンの有力選手も出席したことからも、選手会側の〝本気度〟がわかる。
とくに、侍ジャパンで主力を担うくらいの選手は、いずれはアメリカのメジャーリーグへ行きたいという目標を持っている。昨年末の契約更改でも、DeNA・筒香嘉智、広島・菊池涼介らが、早ければ来年のオフにもポスティングシステムでメジャーに行きたい、という意思を表明した。明言こそしていないが、西武・秋山、ソフトバンク・柳田悠岐、ヤクルト・山田哲人らも近い将来メジャーに挑戦したい希望を示唆している。
ちなみに、球団側がポスティングにかけることを認めなければ、選手のほうは海外FA(フリーエージェント)権の取得を待たなければならない。その場合でも、今シーズン以降、ほぼフルに働けば、秋山は今年オフ、柳田は来年オフ、筒香、菊池、山田は再来年に海外FA権を得る。もっと言えば、菅野も21年のオフには同じ資格をつかむことができるのだ。
もちろん、彼らが全員、メジャーリーグへ行くと決まっているわけではない。が、行くことのできる権利を得るまで、治療が長引くようなケガだけはしたくないだろう。
彼らスター選手の将来のためにも、また彼らに続いて侍ジャパンに選ばれる若手たちのためにも、待遇改善と補償問題の解決を急いでほしい。東京オリンピックはもう来年に迫っているのだから。
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