新人ナンバーワンはDeNA・上茶谷
続いて18日は那覇からコザに足を伸ばし、広島と韓国プロ野球・起亜タイガースの練習試合を見に行った。那覇バスターミナルから高速バスで約30分、運賃は片道930円。球場が最寄の停留所・沖縄南ICから歩いて3分とすぐ近くなのがありがたい。
このゲーム、広島にとっては今年初の対外試合で、主力では鈴木誠也、控えで堂林翔太、外国人でアレハンドロ・メヒアに一発が飛び出した。この日はサードのレギュラー候補、安部友裕がインフルエンザA型で戦線離脱。チームでの罹患者は3人目で、報道陣が騒然とする中、代わって出場した選手がさっそく結果を出すところが、〝生え抜き育成主義〟でチーム作りをしている広島の強みだろう。
そうした中、ドラフト1位新人の小園海斗は途中から出場してショートを守り、3打数無安打2三振。第1打席は3球連続見逃して三振。第2打席は大きく振って空振り三振。第3打席は当てにいって一ゴロと、まったくいいところがなかった。が、首脳陣は「最初はあんなもの。いまのうちにいろんな経験をして、いろんなことを感じてくれればいい」と問題にせず。こちらはまだ、少ないながらも開幕一軍の可能性を残している。
雨で各球団の練習試合が中止となった19日から一夜明けた20日、今度は宜野湾で行われたDeNAとロッテのゲームを観戦した。DeNAの先発投手は、これが実戦初登板だったドラフト1位の上茶谷大河(東洋大)。ロッテも同1位・藤原恭大(大阪桐蔭)が2番・センターでスタメン出場と、ここでも注目のルーキー対決が実現した。
しかし、結果は上茶谷が危なげなく藤原を三ゴロに仕留めてあっけなく終了。上茶谷は2イニングを無安打無失点に抑え、真っ直ぐの最高速度は152㎞を計測した。その直球と大差ない腕の振りでスライダーやカットボールをコーナーに決め、「あれだけの勢いと制球力ではちょっと打てない」とネット裏の他球団関係者に舌を巻かせている。
そんな中、ロッテで気を吐いていたのが、昨年履正社からドラフト1位で入団した2年目の安田尚憲。大きな放物線を描いてスコアボードを直撃する本塁打を放ち、スタンドのファンを沸かせた。同じサードの定位置には先輩の鈴木大地がいるが、「開幕からレギュラーを取るつもり」と強気な姿勢をアピールしている。「そういう気持ちがなくなったらぼくはおしまいですから」と、言うことも実に逞しくなってきた。
さて、ここまでに挙げた新人や若手の中で、開幕一軍に生き残っているのは誰か。ひとり残らずいなくなり、私の目が〝節穴〟だったなんてことにならないよう祈っている。
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