巨人へ移籍した丸はVIP待遇
広島から巨人へFAで移籍した丸佳浩外野手は新天地において何から何まで補償されている「VIP待遇」。しかしながら一方の長野は世論から熱い支持を得ているとはいえ、人的補償という悲しい嵯峨も絡み優遇はさすがにされない。しかもカープはもともと厳しさをモットーとする球団だ。ここまで赤ヘル軍団の一員としてリーグV3の原動力となった実績と経験を持つ選手以外は、すべて横一線――。
そんな厳格な考えを貫く緒方監督だからこそ、長野をお客さん扱いせずに尻叩きをしようと決心していたのだろう。
巨人時代から開幕当初の成績は平気的に振るわず、徐々に調子を上げていくタイプ。G党からも「帳尻合わせのスロースターター」と揶揄されていたほどに春先はいつもバットが湿りがちだ。そういう長野のマイナスポイントを緒方監督らカープの首脳陣が把握していないわけがあるまい。
首脳陣の内定事項通り、右翼の定位置は主砲・鈴木で決まりだ。そして正中堅手もここまでの流れから分析していくと成長著しい野間峻祥が就く可能性が高い。そうなると外野の枠は残り1つで正左翼手の座しかない。
アカデミー出身の大砲サビエル・バティスタと長打が武器の松山竜平は一塁と左翼を兼用する方向で、さらに今季から内野だけでなく外野守備へ本格的に挑戦中の西川龍馬や捕手との兼務を模索中の若手・坂倉将吾も「1枠」の候補者としてささやかれている。
実は左翼守備が苦手とも言われている長野だけに、そういった情報も当然入手済みのカープ首脳陣はやはり本人に熾烈な競争を強く意識させることで〝いくら巨人で実績があろうともウチでは特別扱いはしないぞ〟と無言のプレッシャーを与え続けているのだろう。
ちなみに、その長野については早ければ5日から本拠地マツダスタジアムで行われる古巣・巨人とのオープン戦2連戦で左翼手として実戦初守備に就く可能性が各メディアによって報じられている。たとえ今季開幕戦と同カードの前哨戦であっても長野を特段出し惜しみするわけではなく、あくまでも戦力の見極めの一環として首脳陣側が左翼手の守備テス