2024年11月28日(木)

Washington Files

2019年6月17日

日米両国の議員待遇を比較

 ちなみに、日米両国の議員待遇を比較してみよう:

<年間報酬>
 日本=平均2,200万円、米国=$174000(約1,900万円)
<期末ボーナス>
 日本=約640万円、米国=なし
<文書通信交通滞在費>
 日本=年間約1,200万円、米国=公務出張以外とくになし
<立法事務費>
 日本=年間780万円、米国=とくになし
<移動交通費>
 日本=JR乗車券全線グリーン車でフリーパス、国内航空券は月4往復は無料
 米国=電車利用はとくになし、航空券はワシントン―選挙区間のみフリー
<公用車利用>
 日本=国会専用の公用車(運転手つき)が約230台あり、新人議員含め公私目的いかんにかかわらず比較的自由に利用可能
 米国=上下両院の正副議長、各委員会委員長ら幹部議員に利用が限定され、一般議員はタクシー利用かマイカー移動がほとんど
<議員宿舎>
 日本=都心の赤坂に議員用高級宿舎があり、家賃は3LDKの広さでわずか9万2000円
 米国=とくになし。このため選挙区の自宅のほかに、都心でアパート暮らしを強いられるが、高騰する家賃が払えず、議員会館自室に起居する議員の存在が問題となっている

 待遇比較ついでに、日米両国の議員数を見ると、日本は衆院議員465人、参院議員248人合わせ713人、米国は上院議員100人、下院435人合わせ535人と、全体議員数でも日本がはるかに多い。

 しかも、米国は人口で日本の3.5倍、国土面積は約25倍と日本とは比較にならない大きさだ。それだけ、議員1人当たりの責任と仕事量は日本の何倍も大きいことになる。

 その点を考えれば、米国連邦議員の待遇はもっと手厚くあってしかるべきだが、上記の待遇比較でも明らかな通り、日本の国会議員がはるかに厚遇を受けていることは覆いようもない事実だ。

 しかもこうした中で、昨年7月、世論の反対を押し切る形で参議院議員定数を6議席増とする「改定公職選挙法」が成立したが、これは「時代錯誤の暴挙」と言われても仕方のないことだろう。
 
 今回の米議会における報酬改定法案審議の一時凍結については、10年ぶりの改定であり、切実な事情で改定を待望する議員も多いことから、最終的には指導部の判断で強行採決される公算が大きい。

 しかし、仮に年内に報酬引き上げが実現した場合でも、反対議員の一部からは「報酬引き上げ分は受け取らない」「アップ分は社会福祉団体に寄付する」といった声も聞かれる。

 これとは対照的に、日本で前回改定が行われた2014年当時、歳費改定法案の審議では、議員の間からこれといった反対もなく、粛々と可決された経緯がある。

 昨今、わが国では常識破りの発言や失態を演じる国会議員がマスコミの話題になっている。今後有権者としても、報酬面で世界有数といわれる厚遇を受ける国会議員たちについて、その資質や仕事ぶりをより厳しく監視していくべきだろう。

  
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