策士策に溺れる?
トランプ大統領は、「Tariffs are no-brainer(追加関税をかけることは簡単な決断だ)」と述べ、「追加関税は考えるまでもない。当然だ」というメッセージも発しています。というのは、同大統領によれば、「米国は中国との貿易で年間5000億ドル(約54兆円)もの損失を被っている」からです。
しかし、追加関税は「諸刃の剣」です。短期的に歳入が増加するかもしれませんが、長期的視野に立てば自国の消費者、農家並びに製造業に打撃を与え、その結果歳入が減少する可能性は否定できません。現地ヒアリング調査を実施すると、トランプ支持者はこの点を充分理解していませんでした。
トランプ大統領は貿易交渉において、追加関税に過度に依存しています。関税を取り入れた再選戦略が来年の米大統領選挙の投票日まで効果的なのか、あるいはトランプ大統領が「策士策に溺れる」という結果になるのか注目です。
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