2024年4月20日(土)

スウェーデンで生きる 海外移住だより

2012年2月14日

職業年金、個人年金の仕組み

 基礎部分のAllmän pensionが全国民に関与するのに対して、Tjänstepensionは会社員や公務員などの被用者のみが対象です。これは雇用主と共済組合の協約上に成り立つ制度で、その協約に従って雇用主が組合に被用者の保険を納めます。保険料率は雇用主と共済組合の協約によって決まるのですが、賃金の10%前後に定めている所が大方。被用者は退職後、年金機構ではなくこの組合から年金を受け取ることになります。

ストックホルム市内にある年金機構舎前。意外と素気ない概観。

 Privat pensionは任意加入の年金制度で、銀行や保険会社、投資信託が運営を請け負っています。どこにいくら納めるか、貯金するか投資するかは個人が選択できるので、Premiepensionと同様、投資次第では受給額が左右されることになります。

 スウェーデンには決まった定年がなく、現時点では61~67歳の間に自分で選ぶことができます。つまり、決まった年金の受給開始年齢もないので、自分で申請をしない限り年金はもらえないのです。例えばAllmän pensionは61歳から受給が可能ですが、そのためにはその最低2カ月前までに年金機構に申請しなくてはいけません。最低保障年金は65歳から、Tjänstepensionの場合はその協約によって開始年齢が異なり、Privat pensionは早くて55歳からの受給が可能です。

現役時代の「格差」が定年後も続く

 スウェーデンの年金制度は、保険料も受給額も被保険時代の所得に応じて決まる所得比例制です。簡単に言ってしまえば、所得が多ければ多いほど受け取る年金も多くなります。

 また、所得が多い人ほどPrivat pensionに加入する経済的余裕もあり、それによって年金受給額を増やせる可能性も大きくなります。保険加入期間も受給額を左右する要素ですが、精神労働者は肉体労働者に比べると一般的に高収入で勤続年数も長いので、結果受け取る年金も多くなります。

 つまり、現役時代に高所得だった人は定年になっても高所得であり、逆に低所得者は定年後も低所得。優雅な老後を楽しめる人がいる一方で、ギリギリの生活を送っている人もたくさんいるというわけです。

格差と移民問題にも揺れる年金制度

 この点から、現在論争の的になっているのが女性の年金問題です。


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