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2019年9月18日

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イスラエルで17日に行われた総選挙の開票が進んでいる。出口調査では与野党の獲得議席数が拮抗(きっこう)しており、明確な勝者は出ない見通しだ。

現時点では、ベンヤミン・ネタニヤフ首相率いる右派与党リクードが30~33議席、元軍参謀総長のベニー・ガンツ氏(59)率いる中道野党連合「青と白」が32~34議席を確保する見込み。

ネタニヤフ氏は投票が締め切られた後の18日未明、「我々は全員、難しい選挙戦をくぐり抜けた」と語った。

「実際の結果を待っている段階だが、ひとつだけ確かなことがある。イスラエルは歴史的な瞬間にあり、我々は大きな機会と大きな困難に直面してきた」

一方、青と白のガンツ氏は情勢についてやや前向きな姿勢を示した。

「もちろん実際の結果を待っているが、我々は使命を達成したようだ。この先、結束と和解が待っている」

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イスラエルでは4月に総選挙が行われ、リクードはイスラエル議会(定数120)で35議席を獲得。右派連立政権の樹立を目指していたが、5月末までに合意に至らなかったため、9月17日の再選挙が決まった。

連立が成立すれば、ネタニヤフ氏は5期目となるはずだった。

今回も過半数議席を獲得する政党が出ない見通しのため、最速の投票結果が出る18日午前から、連立交渉が始めるとみられている。

出口調査の結果は?

イスラエルの公共放送カンが発表した最新の出口調査では、青と白が32議席、リクードが31議席を獲得する見込み。3位はアラブ政党「ジョイント・リスト」の13議席で、これにアヴィグドル・リーベルマン前国防相が率いる極右「わが家イスラエル」(9議席)が続いた。

民放チャンネル12のニュース番組は、青と白とリクードが共に32議席と伝えた。また、チャンネル13は青と白が32議席、リクードが30議席となると報じている。

出口調査の結果が出ると、リクードの本部では沈黙が流れた。

リクードの外交担当者は、イスラエルの出口調査は過去に議席数を間違えて発表したことがあると指摘。前回4月の総選挙では、リクードや、ネタニヤフ氏が連立を模索した宗教政党の得票数を低く数えていたと話した。

一方、青と白の広報担当者は現地紙タイムズ・オブ・イスラエルの取材で、イスラエルに新たな首相が誕生すると「慎重だが前向き」に考えていると話した。

次はどうなる

BBCのトム・ベイトマン中東特派員は、出口調査の結果が正しければ、ネタニヤフ氏が政権を維持するのは一筋縄ではいかないと指摘。むしろ、4月の総選挙で連立交渉が破綻した時よりも、さらに弱い立場に置かれると説明した。

一方のガンツ氏も、議会第一党の党首になる可能性はあるものの、政権樹立にはさらに複雑な道のりが待っているという。

連立の鍵を握るのは、リーベルマン氏率いる「わが家イスラエル」だと言われている。

リーベルマン氏は4月の総選挙でも、ネタニヤフ氏による連立実現を阻止した。リーベルマン氏は連立の条件として、超正統派のユダヤ教神学校生徒の徴兵免除を廃止する法案の成立を訴え、譲歩を拒否したため、連立交渉の破綻につながった。

17日夜に開かれた集会でリーベルマン氏は、選挙中から提唱していた大連立について語った。

「我々にはひとつしか選択肢がない。わが家イスラエルとリクード、そして青と白による、広くリベラルな政権を作ることだ」

ベイトマン特派員によると、野党側はネタニヤフ氏との連立には参加しないとしていることから、ネタニヤフ氏がリクードの党首を辞任すれば、こうした大連立も可能だろうと分析している。

一方で、ネタニヤフ氏には汚職疑惑をめぐる事情聴取が待っていることから、3回目の総選挙を含むほかの選択肢が先に浮上してくる可能性もあるという。ネタニヤフ首相は全ての疑惑を否定している。

正式な投票結果で明確な勝者が出なかった場合、レウヴェン・リヴリン大統領が政権を作る人物を決定する。指名された人物は28日間の連立交渉期間が与えられるほか、最大14日間の延長が認められている。

リヴリン大統領の報道官によると、大統領は「明確な投票結果を受け取り次第、すぐに」各党の代表者らと面談する予定だという。

(英語記事 Israeli election result too close to call

提供元:https://www.bbc.com/japanese/49737146

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