“熱視線”ラグビーW杯2019の楽しみ方

2019年10月14日

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 試合後の会見では、どちらのヘッドコーチからも台風19号で被災された方々へのお見舞いの言葉が発せられ、各地に甚大な被害が出ているなかにあって試合が開催されたことへの感謝の言葉が述べられた。

死闘を繰り広げた両チーム(写真・筆者)

 試合後スコットランドのグレガー・タウンゼントHCは、「我々は高い意識を持ってこの大会に臨んでいたが、大事なポイントで取ることができなかった。最後の15分で大事な逆転ができなかった。最後は控え選手を使って流れを変えようとしたが、もっと精度を高めなければチャンスをものにすることができない」と語り、「日本代表は団結し、どう戦うかをよく理解して、ボール回しの早さやラックの強さ、セットプレーのうまさという長所を生かしている。また選手の質の高さとハードワークで自信を持っている。次の南アフリカ戦も接戦になるだろう」と振り返っている。

 また、レイドローゲームキャプテンは「4年前と比べ、また(前回対戦した)2016年に比べて良いチームになっていることは認識していた。日本は素晴らしいチームだと実感している」と日本の健闘を讃えた。

 日本代表のジェイミー・ジョセフHCは「ディフェンスも攻撃の一つだと思っている。ディフェンスラインからチャンスが生まれてトライを奪った。できるだけボールをキープしてテリトリーをとる。そして裏をかく。相手にプレッシャーを与え、トラブルを与えること。諦めずに自分たちのプレーを信じ、それを実行できたこと」を勝因に挙げた。

 さらに日本代表のメンタリティについては「良き人格者であることが大切だと思っている。高いメンタリティを持つことで自分たちのベストを引き出すことができる。それを日々体現し、チームがお互いに正しいところで持ち続けることが大切」だと語っている。

リーチマイケル「私たちだけの試合ではないと思っていた」

ベスト8を決めた日本の主将、リーチ マイケル(写真・筆者)

 またリーチマイケルキャプテンは冒頭「私たちだけの試合ではないと思っていた。試合を実現させるために、床を掃いたりスポンジで水を吸ったり、そうした大勢の人たちのおかげで試合ができたことに感謝しています」と謝意を述べ、新たな歴史を刻んだことの要因には「一番は信じること。また、スーパーラグビーの影響も大きく、ジェイミーの指導とコーチ陣の指導のおかげ」と語っている。

 以前、ジョセフHCからフェラーリに例えられた松島幸太朗は「厳しい練習をしてきて、勝てるという自信がみんなに芽生えているのと、成功を積み重ねているという感覚が、勝てるという意識になっている。その自信がみんなのプレーに表れていると思います。また、今日は台風のあとの特別な試合でもありますのでチームの一体感が強かったことも勝因のひとつです。今日は勝ってよかったと思います」とほっとした表情を浮かべた。

 次の南アフリカ戦に向けては「(相手は)ディフェンスシステムが良くできていて、しっかり前に出てくるイメージなので自分たちがそこでフィジカルを避けずに当たりにいくことで勢いを作っていきたいと思っています。いま凄く乗っているので前半の40分に戦術通りにできるかどうかがカギになってくると思います」淡々と語った。

 チームの主軸の司令塔として活躍する田村優は「勝因は気持ちじゃないですか。高校生、大学生にも参考になる試合だったんじゃないでしょうか。相手よりちょっとでも頑張って動こうとした結果が出た試合だと思います。また、週明けの月曜日にこのチームで迎えられるのが一番うれしいですね。次の南アフリカ戦はむちゃくちゃチャンスあります。もう信じてやるだけです」と熱いまなざしを光らせた。

 この試合のプレイヤー・オブ・ザ・マッチ(POM)に選ばれた福岡堅樹は、「4年前のことがあって、日本のラグビーが世界で戦えるんだ。勝てるんだという、勝つという文化を根付かせたことが今回の自信になっています。2015年の大会はいまここで勝つための糧だったかなと思っています。そういう意味ではチームとして勝ち切ることができて良かったと思います」と自信を覗かせた。

 自身の手で新時代を切り開いた者たちの勢いは止まらない。日本代表よ、さらなる高みへと駆け上がれ。
  
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