Wedge REPORT

2019年10月15日

»著者プロフィール
閉じる

大河原克行 (おおかわら・かつゆき)

ジャーナリスト

電機、IT産業を中心に幅広く取材、執筆活動を行う。『ソニースピリットはよみがえるか』(日経BP社)など。

「Society 5.0 TOWN」

 今年のCEATEC 2019で目玉となりそうなのが、「Society 5.0 TOWN」だ。昨年のCEATECでは、「IoT TOWN」と呼んでいた主催者展示企画を進化させたもので、今年も金融、製造、流通など、幅広い業種から24社/団体が参画し、2030年の未来の「まち」で想定される多様なサービスを披露する。

 Society 5.0 TOWNに参画する企業のうち、初参加は、ANAホールディングス、大阪ガス、大林組、関西電力、清水建設、JapanTaxi、大成建設、大日本印刷、戸田建設など。広島県も初めて出展するが、地方公共団体にありがちな企業誘致が目的ではなく、デジタルトラランスフォメーションや働き方改革を紹介し、共創を促すものになる。

 とくに、話題を集めそうなのがANAホールディングスだ。同社は、ANAアバターを出展。  

 CEATECのANAブースと、大分県の釣り堀をつないで、実際に魚を釣り上げる体験ができる。また、Society 5.0 TOWN内に、アバター専用レーンを用意して、そこをロボットが移動することになる。ANAアバターが他社ブースを訪問して、ANAブースから他社ブースを見学するといった共創型展示も行われる。

 さらに、企業同士の共創事例を発信する「共創ゾーン」を初めて設けて、従来の個社ごとの展示だけではない、新たなスタイルにも挑戦する。これまでにはない、出展者同士が連携した展示が見られることになるわけだ。

 こうした出展者同士が連携した共創型展示の背景には、主催者側の綿密な準備があった。

 Society 5.0 TOWNに出展する企業同士が、一堂に集う会合を半年以上前から開き、それぞれの出展者の担当者同士が、お互いに名刺交換をし、情報交換をする間柄を作っていたのだ。

 まさに異業種同士が、緊密に連携した上で、CEATEC開催当日を迎えるという関係が出来上がっているのである。

 CEATEC実施協議会では、「展示会当日だけに出展の成果を求めたり、展示会が終了後に、成果を追求したりというだけでなく、展示会開催前からも、共創を模索できるのがCEATECの新たな姿だといえる」とする。

 これもCEATECが目指す新たな展示会の姿と、成果の求め方だといえそうだ。

 CEATECの変化はまだまだ進むといえそうだ。

関連記事

新着記事

»もっと見る