「Society 5.0 TOWN」
今年のCEATEC 2019で目玉となりそうなのが、「Society 5.0 TOWN」だ。昨年のCEATECでは、「IoT TOWN」と呼んでいた主催者展示企画を進化させたもので、今年も金融、製造、流通など、幅広い業種から24社/団体が参画し、2030年の未来の「まち」で想定される多様なサービスを披露する。
Society 5.0 TOWNに参画する企業のうち、初参加は、ANAホールディングス、大阪ガス、大林組、関西電力、清水建設、JapanTaxi、大成建設、大日本印刷、戸田建設など。広島県も初めて出展するが、地方公共団体にありがちな企業誘致が目的ではなく、デジタルトラランスフォメーションや働き方改革を紹介し、共創を促すものになる。
とくに、話題を集めそうなのがANAホールディングスだ。同社は、ANAアバターを出展。
CEATECのANAブースと、大分県の釣り堀をつないで、実際に魚を釣り上げる体験ができる。また、Society 5.0 TOWN内に、アバター専用レーンを用意して、そこをロボットが移動することになる。ANAアバターが他社ブースを訪問して、ANAブースから他社ブースを見学するといった共創型展示も行われる。
さらに、企業同士の共創事例を発信する「共創ゾーン」を初めて設けて、従来の個社ごとの展示だけではない、新たなスタイルにも挑戦する。これまでにはない、出展者同士が連携した展示が見られることになるわけだ。
こうした出展者同士が連携した共創型展示の背景には、主催者側の綿密な準備があった。
Society 5.0 TOWNに出展する企業同士が、一堂に集う会合を半年以上前から開き、それぞれの出展者の担当者同士が、お互いに名刺交換をし、情報交換をする間柄を作っていたのだ。
まさに異業種同士が、緊密に連携した上で、CEATEC開催当日を迎えるという関係が出来上がっているのである。
CEATEC実施協議会では、「展示会当日だけに出展の成果を求めたり、展示会が終了後に、成果を追求したりというだけでなく、展示会開催前からも、共創を模索できるのがCEATECの新たな姿だといえる」とする。
これもCEATECが目指す新たな展示会の姿と、成果の求め方だといえそうだ。
CEATECの変化はまだまだ進むといえそうだ。