猫カフェはその楽しみを体験する施設です。そのため、利用する方たちは、飼育ができない環境の方や飼育を前提に体験したい方、家の子以外と「浮気」したい方など様々です。確かに猫との触れ合いは、育てている家庭やペットショップ以外にはなかなか機会がないものです。野外で自由に暮らしている猫たちはおいそれと近寄ってきてはくれません。猫好きが心おきなく触れ合える貴重な施設です。
店内では一定のルールの元、心おきなく猫との時間を満喫できます。ショップ猫たちは人慣れもしていて、一芸を披露してくれる子がいるお店もあります。しかし猫は猫。いやなことをされるとすぐに遠くへ避難してしまいますので、猫にモテたい人はじっと辛抱して気まぐれを待つか、好みのおもちゃでのアピールを行うか、はたまた最終兵器のおやつを購入してあげる必要があります。お目当ての猫に対するお客の必死さを見ると、猫がまるで夜の蝶に化けたかの如くです。猫たちにとっての配慮を考えたルールに従い時間を楽しむ限り、猫好きにとって至上の癒し空間です。
犬と猫ではその習性や魅力も大きく違います。どちらかと言うとアウトドア派の犬。その飼い主の需要に特化した施設がドッグカフェ。必然性もあってインドア派の猫。飼い主以外にも猫と触れ合える体験を与えることに特化した施設が猫カフェです。どちらも“カフェ”という業態を冠していますが、需要の違いからドッグカフェは飲食店としての要素が重視されており、猫カフェはアミューズメント的な要素が重視されているように感じられます。どちらも動物好きには有り難い施設として需要は高まっているようです。
動物愛護法改正
猫カフェの営業時間が問題に?
今年は5年に1度行われる「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)」の改正が行なわれる年です。改正の最終段階に民意を問うためのパブリックコメントも終わり、改正案が交付されたのが今年の1月20日。この中に「動物取扱業者(中略)は犬および猫を展示する場合は午前8時から午後8時までとする」(http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14717)という文言が入っていたため、深夜まで営業する猫カフェのオーナーさんたちが猛反発。急遽4月23日に猫カフェを例外的に午後10時までの営業にするかどうか、パブリックコメントが募集されました。
そもそもこの条文は、「深夜の時間帯に生まれて間もない犬や猫を、明るく落ち着けない環境に晒して展示販売することが動物の福祉に反している」という理由から作られたものでした。「猫カフェは大人の猫たちを環境にも配慮して展示(自由運動下で)しているので、通常の展示販売と同等ではない。店舗営業の権利を侵害している」との理由で営業時間の延長を申し出たため行われた措置です。
なぜ猫カフェだけが規制対象に?
問題は“猫カフェ”という一つの業態に対してパブリックコメントを募集してまで交付後の改正案を作り直そうとしていることにあると感じます。