2022年8月10日(水)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2020年3月15日

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新型のコロナウイルスの人工説と漏洩の可能性について

 次に、日本の友人から何度か質問された新型コロナウイルスが人工的に作られたものであるかどうかという点ついてであるが、さすがにその辺はビジネスマンの理解の範囲を超えている。ただ、それが人工物であろうとそうでなかろうと、仮に武漢の研究所で保管されていたのであれば、管理の甘さから漏洩する可能性はあるであろうなと多くのビジネスマンが感じている。日常の仕事での同じような経験をしているからだ。

 中国における日系の工場や仕事の現場でシッカリしたマニュアルと整えたとしても、それを勝手に解釈して運用されてしまう例が後を立たないからだ。例えば、新たな工場を設立した場合、そうした運用が安定するまでに数年を要することが多い。辛抱強く何度も何度も注意しないと運用が根付かない。中国人は差不多(ほとんど同じ)という言葉が好きで、悪気なく、こっちの方が便利だとか結果は同じだと言って勝手にやり方を変えてしまう。

 中国の一流の研究所の研究員はさすがに意識が高いのでそうしたリスクは低いかもしれないが、一般職員や掃除係の人はわからない。マニュアルに基づいたゴミの処理をしないかもしれないし、極端な話、実験用のコウモリを市場に売ってしまったのではないかと悪い冗談を言う中国人もいるくらいである。おそらく中国の庶民も同じことを考えているのではと思われるが、この手は研究所では、大都市ではなく、人里離れた砂漠の真ん中に置いてもらいたいものだ。中国は広大なのだから。

中国の方が安全と考える在日中国人

 これは私の友人が勤める会社の話として直接聞いた話であるが、日本の永住権を有し、日本の会社で働く、中国人夫婦の話。奥様が勤める会社の若手の日本人社員が風邪をこじらせ病院に行き肺炎と診断されたが、PCR検査は実施されず、薬を処方されただけで入院もせず、その社員はそのまま普通に会社に出てきて咳をしながら働いていたとのこと。

 それを見た奥様は、日本の方がよほど危ないと感じ、二人の子供を比較的感染者の少ない中国の自分の故郷に避難させたとのこと。こうした、在日中国人の不安、日本政府の対応に対する疑問や日本のメディアの批判が中国のメディアでも紹介されるようになり(テレ朝の羽鳥慎一モーニングショーが中国でも話題になっている模様)、中国国内の中国人も日本は大丈夫かといった印象を持ち始めている。更に中国の体制の優位性を強調するような見方も出始めている。

 確かに、1月25日前後からの中国政府のなりふり構わぬ対応、都市を閉鎖し、トッカン工事で病院を建設、IT、監視カメラを駆使し感染予防を図るなど、西側では制度的にありえないような方法で抑えこみつつある。これに対し、日本の有識者の中でも、中国の監視社会のプラスの側面を指摘するなど、なかなか納得感のある危機管理戦略が示されない日本政府の対応と比べてコントラストが際立ってきている面もある。

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