WEDGE REPORT

2020年5月22日

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山田敏弘 (やまだ・としひろ)

国際ジャーナリスト

講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本誌などを経て、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の客員研究員として国際情勢やサイバー安全保障の研究・取材活動に従事。近著に『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(講談社+α新書)、『サイバー戦争の今』(ベスト新書)。

中国経由は人為的ミス 
世の中で1番安全なアプリ目指す


――データが中国のサーバを経由した問題はなぜ発生したのか。

佐賀氏 人為的な設定ミスだ。通常は、たとえば日本の利用の場合は日本のデータセンターを、そこが一杯なら米国のサーバを、そこも一杯なら近隣のデータセンター(豪州、香港など)を探し、反応の早いところに繋がる設定だった。ちなみに日本の場合は中国経由を懸念する声が多かったため、近隣サーバ接続の際も、中国は経由しないようにしていた。しかし新型コロナの影響で需要が急拡大する中、人為的な設定ミスによって、米国はじめ各国のデータが、中国経由になってもおかしくない設定になっていた。発覚後、間違って接続されないように修正し、今後中国を経由しないようにした。日米以外にどのデータセンターを経由するか、利用者が選べる設定にした。

――中国経由のデータは削除したのか。中国当局に情報が抜かれてしまうという指摘もある。

佐賀氏 データが中国を経由したことが判明したケースでは、個別にZoomからユーザー側へ説明をしている。ただ現時点で、日本人顧客のデータが中国を経由したケースは見つかっていないため、経由したデータについて米本社がどう対応をしているのかはわからない。また中国当局側と全く取引はないが、懸念を持たれないよう、物理的にそういうことが起きないように設定を修正した。

――セキュリティーに関する不安の声も大きい中、どう対応していくか。

佐賀氏 今年6月までは、すべての新機能の開発を止めて、セキュリティーについて対策しオープンに伝えていく。これに徹する。今まで見つかったセキュリティー問題は、最新のバージョンであるZoom5.0に集約されている。なるべく早くこれを使用してほしい。強調したいのは、すでに安心・安全だということ。世の中で1番安全なソリューションになるため、本社も1つ1つの行動から見直している。指摘されていないことを自分たちで見つけて先に公表する。

Wedge6月号では、以下の特集を組んでいます。全国の書店や駅売店、アマゾンなどでお買い求めいただけます。
■コロナ後の新常態 危機を好機に変えるカギ
Part 1      コロナリスクを国有化する欧米 日本は大恐慌を乗り切れるのか?
Part 2      パンデミックで見直される経済安保 新たな資本主義モデルの構築を
Part 3      コロナ大恐慌の突破策「岩盤規制」をぶっ壊せ!
Part 4      個人情報を巡る官民の溝 ビッグデータの公益利用は進むか?
PART 5-1 大学のグローバル競争は一層激化 ITとリアルを融合し教育に変革を
PART 5-2 顕在化する自治体間の「教育格差」 オンライン授業の先行モデルに倣え
コロナ後に見直すべき日本の感染症対策の弱点
Part 1      長期化避けられぬコロナとの闘い ガバナンスとリスコミの改善を急げ
Part 2      感染症ベッド数が地域で偏在 自由な病院経営が生んだ副作用
Part 3      隠れた医師不足問題 行政医が日本で育たない理由

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

◆Wedge2020年6月号より

 

 

 

 

 

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