(1)RTA*(地域貿易協定)と多国間貿易システムの間で相互作用をすること。
(2)RTAから多国間交渉の教訓を得ること。
(3)RTAメンバー間の農産物貿易自由化を拡大すること。
*RTAは、Regional Trade Agreementsの略でGATT24条の Free-Trade Areas とCustoms Unions とを総称するWTO術語である。なお日本のEPAは対域外共通関税を採用していないので上記24条のFTAに該当する。
日本の農業の構造改革を
つまり、昨今話題のTPPにおいては、上記の点に注意する必要がある。FTA同様、例外規定が乱発され保護主義が横行しては、ますますWTO多国間交渉は遠のいてしまう。
FTAは新規商流を大きく生み出した例はまだ少なく、どちらかと言えば既存商流において競争相手のFTA締結で商流を失うことを防ぐ意味が大きいのではないかと想像する。FTAが増えれば、ドミノ現象で競争相手もFTAで対抗せざるを得ない、ということだが、例外規定の乱発では、将来の一本化は極めて困難だろう。
日本の問題は、外的要因の問題ではなく、自国農業自体をいかにして、いつまでに、構造改革をするのか、であり、自ら行動を起こすべき時期はすでに過ぎている。ユーロ圏が金融危機対応抜本策を先延ばししているが、同じ轍を踏まないことが重要である。
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