2022年12月10日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年7月5日

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 米比関係が再強化に動き出すのは2010年からです。その背景には、中国海軍の急速な拡大に対する地域諸国の警戒感もありますが、何よりも大きかったのは、2010年を通じてのクリントン国務長官による米国のアジア復帰、南シナ海問題への積極的発言です。これでアメリカの東アジア防衛の覚悟を見てとったフィリピンは、何十年ぶりかで、訪米の比外務大臣が米比同盟条約に言及するようになり、その後米国と協力の上、周辺の海洋権益を守る姿勢に変わってきています。そして本年2012年4月30日、両国は、初めての「2+2「(外務・防衛大臣会議)をワシントンで行なっています。

 覇権国米国の姿勢が国際情勢にいかに影響を与えるかの一つの好例でもあります。米国のアジア復帰は、もとより日本の歓迎するところであり、日本としては出来る限りの協力をすべきものと考えます。

 最近の武器輸出三原則の廃止による、フィリピン向けの巡視船供与は、日本、米国、フィリピンの三国のいずれにとっても利益となることです。

 またこの論文は、米豪海軍のシンガポール経由のパトロールの効果にも言及していますが、日本の参加も望ましいでしょう。インド洋パトロールの例もあり、現在でも可能と思いますが、法的に複雑な工夫などしなくても集団的自衛権の行使を認めて参加するのが王道でしょう。
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