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2020年9月1日

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1994年にルワンダで発生した集団虐殺で避難民を救助し、映画「ホテル・ルワンダ」のモチーフになった元ホテル支配人ポール・ルセサバギナ容疑者(66)を「テロ行為」の疑いで逮捕したと、ルワンダ当局が31日、発表した。

ルワンダ虐殺では、フツ人の過激派が、同じフツ人の穏健派や対立するツチ人などを多数殺害。ツチ人主導のルワンダ愛国戦線(RPF)によって制圧されるまでの100日間に、約80万人が殺された。

当時ホテルの支配人だったフツ人のルサセバギナ氏は、ツチ人数百人をホテルにかくまって助けた。この実話は2004年公開の「ホテル・ルワンダ」の原案となった。

ルセサバギナ容疑者はその後、RPFを率いるポール・カガメ大統領と対立し、国内に反政府党を結成した。この政党はコンゴ(旧ザイール)に独自の武装部隊を持っている。

ルセサバギナ容疑者はルワンダ虐殺での功績でいつくかの人権賞を受賞。2005年にはアメリカ合衆国大統領自由勲章を受勲した。

拘束の理由は不明

ルセサバギナ容疑者は、国際逮捕状によって逮捕され、ルワンダの首都キガリに移送された。

同容疑者はルワンダから亡命している。当局は逮捕の場所や、逮捕状の内容について明らかにしなかった。

ルセサバギナ容疑者の名前は、最近ルワンダで起きたテロ事件をめぐって浮上していた。裁判所によるとこの事件の際、ルセサバギナ容疑者がザンビアのエドガー・ルング大統領から反政府組織への支援を取り付けた疑惑が持たれているという。

ルング氏の報道官はBBCの取材で、この疑惑を否定している。

ルセサバギナ容疑者は2011年にも、ルワンダ国内で国家転覆をたくらんだとして非難を浴びたが、この時は起訴されなかった。

同容疑者は疑惑を否定し、自分に対する名誉毀損の活動だと批判した。

カガメ大統領については、反対派を容赦しないという批判の声がある。これまでにも野党指導者が投獄されたり、亡命を余儀なくされたりした例がある。

これについてカガメ氏は、民族の違いによる紛争を繰り返さないためだとしている。

映画「ホテル・ルワンダ」とは?

「ホテル・ルワンダ」では、首都キガリのオテル・デ・ミル・コリンの副支配人だったルセサバギナ容疑者が、その立場(と賄賂)を使って推定1200人の避難民を虐殺から守った実話を基にしている。

映画では、ドン・チードル氏がルセサバギナ容疑者を演じた。

ルワンダ虐殺の生存者団体「Ibuka」は過去に、ルセサバギナ容疑者が自分の役割を誇張して吹聴していると述べている。

一方のルセサバギナ容疑者は2007年、RPFの一部のメンバーが虐殺に関わっていたとして、国連のルワンダ国際戦犯法廷で裁くべきだと発言した。

ルセサバギナ容疑者はこの時、「私は普通の人間だが、常に人権を守ろうとしてきた」と話した。

「これまで声をあげられなかった何百万ものルワンダ国民の声になろうとしている」

(英語記事 Hotel Rwanda film hero arrested on terror charges

提供元:https://www.bbc.com/japanese/53980768

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