2024年2月21日(水)

Wedge REPORT

2020年10月6日

人手不足の正体を詳細に分析してもらいたい

 最後に菅首相に対し、筆者からいくつか提案をしておきたい。

 まず、「30万人計画」は即刻廃止すべきである。同計画が達成されたのは、アジア新興国出身の偽装留学生の存在があってのことだ。偽装留学生は、日本にとっては極めて都合のよい存在である。とはいえ、彼らは日本側の思惑についてお見通しだ。長く日本で暮らしていても、この国を好きになるはずもない。新興国との将来の関係、国益という観点からも、同計画を続けてはならない。

 次に、日本語教育の推進は、国内ではなく海外で図ってもらいたい。新興国出身者を日本国内の日本語学校で受け入れ、底辺労働者として利用した揚げ句、学費を吸い上げるというシステムはあまりに醜悪だ。労働者が必要ならば労働者として受け入れ、留学生とは区別すべきものである。

 そして実習生や特定技能の受け入れでは、人材が金銭的な負担なく来日できる仕組みが必要だ。留学生にも言えることだが、「借金漬けでの来日」によって様々な問題が起きてしまう。実習生や留学生による不法就労、またベトナム人犯罪が増加しているのも、「借金」が影響してのことなのだ。留学費用を借金に頼る外国人には留学ビザは発給しない。実習生や特定技能に関しては、「悪質ブローカー」を排除し、手数料は人材を受け入れる企業側が全額負担するよう制度に定めてもらいたい。

 安倍政権では、「移民政策は取らない」と言いながら、実質的な移民の受け入れが加速した。「優秀な外国人材の確保」策だと称し、留学生の就職を増やす政策が取られてのことだ。だが、その狙いは、人手不足の底辺労働を外国人に担わせることだったのではないか。

 菅政権には、人手不足の正体を詳細に分析してもらいたい。そのうえで、どの業種で、どれだけの外国人を、どんな資格で受け入れ、いかなる役割を担ってもらうのかを決めていく。長期的な視点で、外国人労働者受け入れのグランドデザインを描くのだ。

 外国人労働者や移民の受け入れは、将来の国のかたちにも影響する重要なテーマである。新型コロナが景気に与える影響次第で、今後は人手不足にも大きな変化が生じるかもしれない。菅首相には、詭弁を弄すことなく、国民に対し、不都合な真実までも正直に語ってもらいたい。

  
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