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2020年10月28日

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米マンハッタン連邦地方裁判所は27日、ドナルド・トランプ大統領に強姦されたと訴えている女性の裁判に対する米司法省の介入を認めない判断を下した。

コラムニストのE・ジーン・キャロルさんは、1990年代にマンハッタン百貨店内でトランプ氏に強姦されたと主張。また、トランプ氏がこの件を否定した際に自分を中傷し、「全くうそをついている」と言われたと述べている。

司法省はこの件について、トランプ大統領の代わりに被告人として裁判に参加する道を模索していた。

アメリカには、連邦職員が職務を妨害されないよう裁判から保護する「不法行為請求権法」がある。司法省は、トランプ氏が疑惑を否定した際、すでに大統領に就任していたとして、この法律が適用されると主張していた。

しかしルイス・カプラン判事はこの日、アメリカの大統領はこの法律が示す「職員」には当たらないとの判断を下した。

司法省は本来、ホワイトハウスからは独立している機関だが、トランプ政権下では癒着しているとの批判が出ている。

「疑惑と公務は無関係」

キャロルさんは2019年11月にニューヨーク州裁判所に訴えを起こした。この裁判では、マーク・カソウィツ弁護士がトランプ氏の代理人となった。

司法省はこの裁判を連邦裁レベルに引き上げることで、私人としてのトランプ氏ではなく、アメリカ政府に対する裁判に置き換えた。

連邦政府を中傷による名誉毀損で訴えることはできないため、この段階で裁判が終わるのではないかとみる専門家もいた。

しかし今回の判断により、当初の裁判が続行されることになった。

61ページにわたる判決文の中でカプラン判事は、トランプ氏の発言は「大統領就任の数十年前に性加害行為が行われた可能性についてのもので、この疑惑とアメリカの公務には何の関係もない」と説明した。

キャロルさんは判決について声明を発表し、「ドナルド・トランプが私をうそつきと呼び、私に会ったことがないと言ったとき、彼はアメリカを代表して話してはいなかった。カプラン判事がこの基本的な真実を認めてくれたことがうれしい」と述べた。

キャロルさんの弁護団は、トランプ氏にDNA鑑定に応じるよう求めている。事件当日にキャロルさんが着ていた服が残っており、それを使った照合を行うという。

キャロルさんの主張とは

キャロルさんによると、事件は1995年末から1996年初めごろ、マンハッタンの百貨店バーグドルフ・グッドマンで起こった。

トランプ氏とキャロルさんは買い物中にぶつかった。その後、トランプ氏は別の女性のために買う下着についてアドバイスが欲しいと言い、キャロルさんにモデルを頼んだという。

キャロルさんは試着室でトランプ氏に突き飛ばされ、壁に押さえつけられて強姦されたと話している。

トランプ氏とキャロルさんは当時、共に50歳前後。トランプ氏はマーラ・メイプルズ氏と結婚していた。

トランプ氏は過去に何度かこの疑惑を公の場で否定しており、キャロルさんについて、「完全にうそをついている」、「自分の好みではない」と発言している。

(英語記事 Trump setback in rape defamation case

提供元:https://www.bbc.com/japanese/54715020

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