最近、米国や豪州の論説のなかに、具体的な問題点に言及することを避け、中国との対決を避け、中国と友好協力路線を取るべしという趣旨だけを述べている論説が散見されますが、この論文もその一つであります。
もちろん中国は、この種の論文には満足でしょうし、その筆者に対して支援や便宜を与えるのに吝かではないでしょう。また、それは非合法、不公正と言えることではありません。日本も日本研究に対して、財政援助や便宜供与などを与えていますが、中国の場合、その予算規模、活動人員の規模がはるかに大きいことは十分予想できます。
結局は、自由の国アメリカにおいて、どの議論が多数の論者の支持を得て、政策に影響を与えるかという問題です。それは、財政などの背後の支援の強さだけで決定される問題ではありません。アメリカの自由と知性の水準に期待するしかないのです。
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