筆者の知り合いの宝塚出身の元娘役によれば、娘役は勝気で男性気質で、男役は逆に女らしいという。
娘役の黒木はさっぱりとした性格のゆえに、どんな役でもこだわりなく、こなしているようにみえる。
時代は再び、娘役の時代に?
宝塚スターたちの退団後
宝塚の娘役も男役もそのトップを極めれば、スターである。退団した後の活躍具合はどうであろうか。
戦前から戦後にかけては、娘役の時代であった。黒澤明監督の「姿三四郎」で三四郎の藤田進があこがれる轟夕起子は、日活の石原裕次郎映画では母親役として欠くことのできない女優である。淡島千景、乙羽信子、月丘夢路……銀幕を彩った女優たちであった。
男役の時代になる分岐点は定かではない。そして、その理由も考えなければならない、芸能史のテーマであろう。麻実れい、大地真央、天海祐希……
時代は再び、娘役の時代に戻ろうとしているのではないか。黒木の活躍をみてそう思う。筆者の視野には、檀れいも入る。
男役と女役のスターの変遷とその理由とは。筆者には残念ながら宝塚の観劇の経験がない。このテーマは別の方にお任せしたほうがよいようである。
「黒い十人の黒木瞳。」は、9月9日のNHK BSの放映をみた。再放送が待たれる。(敬称略)
■「WEDGE Infinity」のメルマガを受け取る(=isMedia会員登録)
「最新記事」や「編集部のおすすめ記事」等、旬な情報をお届けいたします。