BBC News

2021年7月21日

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世界各国の首脳などを狙った電話のハッキングソフトウエアの標的に、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が含まれていると、大手メディアなどが報じた。

「ペガサス」という名前のこのソフトウエアは、電話端末に入り込み、標的をスパイすることができるという。

大手メディアが入手した約5万人分の電話番号のリストの中に、マクロン大統領を含む各国首脳のものが含まれていた。それらの番号は、イスラエルに拠点を置くNSOグループの顧客の利益に関わる人たちのものだとみられている。

NSOグループは疑惑を否定しており、ソフトウエアは犯罪者やテロリストの監視に使われるものだと説明。ペガサスは人権について評価の高い軍や法執行機関、情報機関にのみ提供していると述べた。

一連の報道に結び付いたのは、パリを拠点にする非政府組織(NGO)「フォービドゥン・ストーリーズ」と、人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルによる調査。これについてNSOグループは、「間違った推測と根拠のない論説にあふれている」と述べている。

仏紙ル・モンドは、モロッコの情報機関が、マクロン大統領が2017年から使用している電話端末を特定したと報道した。

これに対しモロッコは、NSOグループの顧客ではないと反論している。

問題のリストに載っているからといって、ソフトウエアが使われたとは限らないが、掲載された番号を利用する人物が標的候補であることを意味する。

マクロン大統領の電話端末にこのソフトウエアがインストールされたことがあるかどうかは不明だ。

大統領や首相、国王の番号も

リストには、イラクのバラム・サリフ大統領や南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領に加え、パキスタン、エジプト、モロッコの各首相、さらにはモロッコのムハンマド6世の電話番号が含まれていると報じられている。

また、世界34カ国の政府高官や政治家、あわせて600人以上の番号も記載されていたという。

フランスの大統領府は、この報道が真実であれば、非常に深刻な事態だと述べている。

BBCのゴードン・コレラ・セキュリティー担当編集委員は、今回の発覚によって、各国首脳を監視できる環境が売りに出されている可能性があること、それをより広範囲の国々が入手可能なことが明らかになったと指摘。

リストに載っているうち、実際にどれだけの番号が標的にされたかは不明だが、その可能性があると示されただけでも、NSOグループや、他国の首脳にスパイ行為を行っていた国にとっては圧力になると分析している。

(英語記事 French president identified as spyware target

提供元:https://www.bbc.com/japanese/57911180

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