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2021年7月22日

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記録的豪雨が続いた中国中部・河南省鄭州市で19日、地下鉄の駅やトンネルが浸水した。数百人が電車内に閉じ込められたほか、ホームから流されてしまった人もいた。

車両によっては、水位がかかとから腰、首の高さまで徐々に上昇する場所もあった。パニックに陥った乗客が上に伸び上がって空気を求めたり、背の低い人を引き上げて助けたりした。

ソーシャルメディアで拡散された内部の動画では、水位が上昇する中、乗客が座席に上ったり天井にぶらさがる様子が映っていた。窓を割ろうとするも、外にも水があることに気付く乗客の姿もあった。

人口1200万人の鄭州市は黄河のほとりにあり、連日の雨で大きな洪水被害が出ている。地下鉄からは数百人が救出されたものの、少なくとも12人が死亡、5人がけがをしている。

河南省全体では、豪雨と洪水で少なくとも25人が亡くなったほか、20万人以上が避難した。

中国では現在雨季に入っており、洪水の多い季節。しかし科学者らは、地球温暖化が危険な状態を作り出しており、今後も異常気象が頻繁に起こるようになると警告している。

水が迫り、空気がなくなり……

浸水した地下鉄車両内では、危機的な状況を撮影する人もいれば、家族に電話したり、助けを求める投稿をする人もいた。

ソーシャルメディア「微博(ウェイボー)」に「もう話せない」と投稿した女性は、「あと20分で助けがこなければ、何百人もが命を落としてしまう」と状況を伝えた。

リーさんと名乗る女性は現地紙「大象新聞」の取材に、「みんな座席に上っていたが、水はもうひざの辺りまで来ていた」と答えた。

閉じ込められてから1時間後、車内は暗闇に包まれ、酸素レベルが下がっていった。ロイター通信が取材したある女性は、「本当に怖かった。一番恐ろしかったのは水ではない、空気がなくなっていくことだった」と語った。

数時間後、救助隊が電車の屋根から乗客にたどり着き、上へと引き上げた。国営放送・中国中央電視台(CCTV)の取材に応じた女性は、「天井のガラスを叩いていたら、急に空気が入ってきた」と離した。

ストリーミングサイト「梨視頻(Pear Video)」のニュースでは、匿名希望の女性が、「最初はそんなに水がなかったが、突然水位が上がり出した」と、電車内の様子を語った。

「30分もたたないうちに肩まで上がってきた。ほとんど息ができず、たくさんの人が失神した」

この女性は4時間以上閉じ込められたが、救助された時には泣いてしまったと語った。

ある男性は別の報道機関に対し、「プラットホームには水があふれていて、地下鉄のドアの隙間から水が入り込んできた」と述べた。

「私はかなり背が高いけれど、5分もしたら胸のあたりまで水が来た。背が高い人が小さな人や子どもを座席に乗せて助けていた。私も他の人の子どもを抱えていた」

地上での救出劇の様子も、ソーシャルメディアなどで拡散された。救助隊は長いロープを使い、急流の中、人々を安全に引っ張って救出した。

BBCアウトサイド・ソースが取材した鄭州市のワン・キアンさんは、「私は幸運なことに家にいたが、それでも流されてしまうような感じがした」と語った。

「家族全員に連絡して、みんな無事だった。でも周囲は被害だらけだ。そこら中で洪水が起きていて、車が流され、水であふれかえっている」

河南省では各地で救出作業が続いているが、週末にかけてさらに降雨が予想されている。

追加取材:ケリー・アレン、ギャレス・エヴァンス

(英語記事 Terror as train carriage submerged in China floods

提供元:https://www.bbc.com/japanese/57924486

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