「違法動画」「浮気の代償」
45のケース案決定に苦労
45のケースそれぞれに詳しい弁護士を探すのは思っていたより大変ではなかったようだが、「45のケースのお題、たとえば「違法動画」「浮気の代償」など、読者の関心をひくいまの時代ならではのものを決めるのに苦労しました。編集部一人ひとりにそれぞれ10個~20個は、案を出してもらい、その中から身近でわかりやすく読者の方に興味をもっていただけるお題を厳選しました」。
他のビジネス誌も、それぞれ独自の特集を組み、雑誌の特色を出そうとしているが、「競合するビジネス誌を意識する場合もありますが、今回の法律特集に関しては意識していませんし、競合誌では似たような企画はやっていないと思います。またPRESIDENTは、毎週発売ではなく、隔週発売(第2、第4月曜日発売)と若干特殊なので、競合する週刊誌とはスタンスが違うかもしれません」という。
「法律を知っているからこそ自由になれる」
気になる今後の特集についてもコッソリ教えていただくことができた。
「法律って、あれもこれもしてはいけないというイメージの人も多いと思います。そうではなく、逆に法律を知っているからこそ自由になれるといった特集を組んで行きたいと考えています。たとえば、法律上は有給休暇をすべて取得してもなんの問題もありませんが、日本人はまわりに迷惑を掛けてはいけないとすべて取得しなかったりしますよね」。
「あるいは、著作権は非常にグレーゾーンが多い法律で、ビジネスにおいては先手必勝という部分があります。確かに訴訟になっていることもありますが、ビジネスとして成功している企業もあります。日本の企業は自分たちの考えたビジネスが少しでも著作権に触れるとなると、すぐに撤退してしまいます。そういうこともあり著作権やネットのコンテンツビジネスに日本企業は弱いんです。また、ルールに対して日本人は「ルールは天から降ってきたもの」と捉えがちなところがあります。さらに言えば、ルールに関して、あれこれ言うのは潔くないとも日本人は考えがちです。本来、ルールというのは、自分たちでつくるもので、つくる過程こそが大事な部分があります。ルールにしても、法律にしてももっとよく知ることで、プライベートでも自由になれるし、ビジネスチャンスも広がる可能性があるので、そういった企画を考えていきたいですね」。
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