2024年11月24日(日)

メディアの明日

2012年11月19日

 番組アシスタントの谷中麻里衣・日経CNBCキャスターに向けた「麻里衣ちゃ~ん」といった、ネットユーザー特有の“萌えコメント”も画面にあふれたが、デフレや国の借金といったかたいテーマに対する建設的なコミュニケーションも発生した。直居氏は「1万件を超えるコメントが寄せられ、視聴者同士が活発なコメントのやり取りを通じてつながっていく様子を見ていると、交流の場、きっかけ作りという番組の役割を再認識した。テレビの発想とは異なる新しい番組作りが求められているとも感じた」と振り返る。

新規需要は掘り起こせるか

 日経CNBCとニコ動は、11月19日(月)から30日(金)にかけて、再度無料番組を配信する(平日のみ22時から2時間程度)。11月26日(月)21時~22時30分には『もっとマーケッツに聞け!』という特別生番組第2弾も予定されている。豊島逸夫氏、中空麻奈氏、藤巻健史氏、ぐっちーさんといった、いずれも外資系金融出身者のゲストを招き、「知らないと損するマーケットの仕組みと現実」という、1回目より絞り込んだテーマで、双方向型の番組を制作するという。

 日経CNBCが東京証券市場の取引時間内の情報提供に強みをもっていることから、「NIKKEI Channel <Markets>」の放送時間は現在のところ、平日の8時30分から18時までに制限されている。現役世代がコンテンツを求める夜間、深夜帯の放送をどうしていくかが今後を占う試金石となろう。

 いわゆる「地デジ化」(地上波デジタル放送導入)によるテレビの買い替え効果で、BS放送は視聴可能世帯が3500万世帯まで拡大したが、CS放送は伸び悩みが続いている。CSで視聴可能世帯750万世帯を抱える日経CNBCが、新たな需要の掘り起こしを狙って飛び込んだサイマル生放送の成否やいかに。


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