2024年11月25日(月)

Wedge REPORT

2013年1月2日

 新聞を取っていなくても、パソコンやスマートフォンで折込チラシが無料で閲覧できる電子チラシ配信サービスの利用者が増えている。

スマートフォンで表示されたShufoo!の画面。

 2001年に凸版印刷がサービスを開始して以来、大日本印刷、ニフティ、リクルートなどが参入し競争が激化。12年3月にはリクルートの「チラシ部!」が撤退している。

 最大の会員規模を誇るのが、凸版印刷の「Shufoo!(シュフー)」だ(写真参照)。12年10月末段階で、月間の利用者数は424万人(前年比2.12倍)、ページ閲覧数(PV)は8670万件(同3.36倍)と急成長。チラシ掲載企業数は1600社(同2.46倍)、店舗数は8万1000店(同1.17倍)となった。

 「12年は電子チラシ元年です」。Shufoo!を運営する電子チラシ事業推進部の亀卦川篤部長の鼻息は荒い。電子チラシの多くは新聞折込チラシをそのまま転載したものだが、ウェブ限定の電子チラシの配信を始めるクライアントが増えてきたと言う。

 例えば、イトーヨーカ堂はShufoo!で「ペットとお出かけ特集」といった、特定ジャンルの電子チラシを配信している。折込チラシでは紙面が限られ、総花的な情報発信にならざるを得ないが、電子チラシは枚数に制限がなく、製作コストも安い。「弊社の主力客層は30~50代。Shufoo!のメインユーザーである20~40代の主婦が好むペット用品やコスメを特集すれば、新規顧客の開拓が期待できる」(同社担当者)。

 クライアントにとっては、利用者の年齢、性別、居住地域といった属性だけでなく、「何人が閲覧したか把握できるのがメリット」(カゴメ担当者)だ。

 亀卦川部長によると、ある有力量販店は、電子チラシの解析データを元に、エリアごとで陳列する商品を変えているという。


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