2024年11月25日(月)

Wedge REPORT

2013年1月2日

視野に入ってきたカスタマイズチラシ

 「(同業他社と比べ)我々の規模は小さいですが、蓄積した情報を分析することで新たな価値を提供する」

多く閲覧された箇所が濃い赤で表示される。

 大日本印刷の「オリコミーオ!」は月間PVが1300万件弱、登録企業数60社と、規模ではShufoo!に水をあけられている。同社CB事業開発本部の平井賢副本部長は“弱者”ゆえの戦略を追求していると言う。

 その象徴が、オリコミーオ!の会員情報と、クライアントのポイントカード情報を連携させるサービスだ。12年12月から、あるスーパーの50店舗で実験を始めた。

 仕組みはこうだ。電子チラシを閲覧した際、スーパーのポイントカード番号を入力すればポイントが付与される。ユーザーがその後、スーパーで買い物をすると、情報連携により、「チラシを読んだ顧客が何を買ったのか」をクライアントが把握できるようになる(番号情報は暗号化され個人は特定されない)。

 大日本印刷の協業相手は、地場系スーパーのPOSシステムの管理・構築に強みを持つアイディーズ社(神奈川県横浜市)だ。地場系スーパーは、リピーター客が多いため、このような連携サービスに強い関心を持つと見られている。将来はより進んで、購買履歴情報から最適化されたユーザーごとのカスタマイズチラシが登場するだろう。

 電子チラシが盛り上がる一方で、新聞折込チラシの各家庭配布量は06年の648枚がピーク。10年には517枚まで減少した(首都圏、新聞折込の大手広告代理店・読売IS社調べ)。読売ISコミュニケーション・デザイン本部柴山靖本部長は「日本企業全体の広告費が07年から減少し続けたこと、ウェブなど広告媒体の多様化が原因」というが、電子チラシは今後、さらに折込チラシを脅かすことになろう。

◆WEDGE2013年1月号より

 

 

 

 

 

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