2022年11月29日(火)

Wedge SPECIAL REPORT

2021年12月29日

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大澤 淳 (おおさわ・じゅん)

中曽根康弘世界平和研究所 主任研究員

慶應義塾大学法学部卒、同大学院修士課程修了。外務省外交政策調査員、米ブルッキングス研究所客員研究員、内閣官房国家安全保障局参事官補佐、同局シニアフェローなどを経て現職。鹿島平和研究所理事を兼務。専門は国際政治学(戦略評価、サイバー安全保障)。

 ハイブリッド戦争の一環として行われる情報戦は、社会の分断や政府機関の信用失墜など、情報操作によって社会を攪乱し、弱体化させることを目的としている。先述したクリミア危機におけるロシアの作戦は、結果的に住民投票に影響を与え、戦うことなくクリミア半島の併合に成功したのだった。

 ハイブリッド戦争をお家芸にするのはロシアだけではない。「不戦屈敵(戦わずして勝つ)」の孫子の考えを重視する中国もまた、情報戦を主戦場と考えている国の一つである。

 中国人民解放軍政治工作条例では、「輿論戦、心理戦、法律戦(編集部注:これらを合わせて「三戦」ともいう)を実施し、瓦解工作(中略)を展開する」と定められている。17年以降の中国では「制脳権」という言葉がもてはやされ、認知領域の戦いでの勝利も重視されるようになってきている。

デュアルユースのサイバー技術
平時から忍び寄る〝魔の手〟

 ハイブリッド戦争が想定される中、日本の近隣国では、サイバー戦能力の増強が着々と進んでいる。日本では今年9月、新たな「サイバーセキュリティ戦略」が閣議決定された。そこでは、

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Wedge 2021年12月号より
日常から国家まで 今日はあなたが狙われる
日常から国家まで 今日はあなたが狙われる

いまやすべての人間と国家が、サイバー攻撃の対象となっている。国境のないネット空間で、日々ハッカーたちが蠢き、さまざまな手で忍び寄る。その背後には誰がいるのか。彼らの狙いは何か。その影響はどこまで拡がるのか─。われわれが日々使うデバイスから、企業の情報・技術管理、そして国家の安全保障へ。すべてが繋がる便利な時代に、国を揺るがす脅威もまた、すべてに繋がっている。

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