2024年11月22日(金)

Wedge SPECIAL REPORT

2022年2月8日

タイムラグを解消し
〝もう一つのカラダ〟を円滑に

 「お待たせしました。お飲み物をお持ちしました」

 ドリンクの提供をきっかけにお客さまと会話を始めたのは能面がモチーフのOrihimeと呼ばれるロボットだ。操縦しているのはオンラインの向こう側にいる〝パイロット〟である。

 東京・日本橋の「分身ロボットカフェDAWNver.β」(以下、DAWN)では、難病や重度の障害などを持つ外出困難者が遠隔地からタブレットでロボットを操作し、テーブルで注文を受け、ドリンクを運び、お客さまと会話する。ロボットを〝分身〟にすることで、外出困難者も一人の店員として接客することが可能となった。

 分身ロボットの開発とDAWNの運営を行うオリィ研究所(東京都中央区)の吉藤健太朗代表取締役CEOは「モノだけではなく、その人の〝存在〟も運べるロボットを作り、外出困難者でも社会の中で居場所を見つけ、役割が与えられる場所を作りたかった」と語る。

 脊髄性筋萎縮症を患いながらパイロットとして働く奈良県在住の増田優花さんは「これまで在宅でできる事務の仕事をしてきたが、DAWNではさまざまな人と会話をすることができ、毎日が新鮮で楽しい」と話す。

 一方で、遠隔地からの就労となるためネットワーク特有の課題を抱える。「タイムラグ」の問題である。

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Wedge 2022年2月号より
テクノロジーの新潮流 変革のチャンスをつかめ
テクノロジーの新潮流 変革のチャンスをつかめ

メタバース、自律型ロボット─。世界では次々と新しいテクノロジーが誕生している。日本でも既存技術を有効活用し、GAFAなどに対抗すべく、世界で主導権を握ろうとする動きもある。意外に思えるかもしれないが、かつて日本で隆盛したSF小説や漫画にヒントが隠れていたりもする。テクノロジーの新潮流が見えてきた中で、人類はこの変革のチャンスをどのように生かしていくべきか考える。


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