タイムラグを解消し
〝もう一つのカラダ〟を円滑に
「お待たせしました。お飲み物をお持ちしました」
ドリンクの提供をきっかけにお客さまと会話を始めたのは能面がモチーフのOrihimeと呼ばれるロボットだ。操縦しているのはオンラインの向こう側にいる〝パイロット〟である。
東京・日本橋の「分身ロボットカフェDAWNver.β」(以下、DAWN)では、難病や重度の障害などを持つ外出困難者が遠隔地からタブレットでロボットを操作し、テーブルで注文を受け、ドリンクを運び、お客さまと会話する。ロボットを〝分身〟にすることで、外出困難者も一人の店員として接客することが可能となった。
分身ロボットの開発とDAWNの運営を行うオリィ研究所(東京都中央区)の吉藤健太朗代表取締役CEOは「モノだけではなく、その人の〝存在〟も運べるロボットを作り、外出困難者でも社会の中で居場所を見つけ、役割が与えられる場所を作りたかった」と語る。
脊髄性筋萎縮症を患いながらパイロットとして働く奈良県在住の増田優花さんは「これまで在宅でできる事務の仕事をしてきたが、DAWNではさまざまな人と会話をすることができ、毎日が新鮮で楽しい」と話す。
一方で、遠隔地からの就労となるためネットワーク特有の課題を抱える。「タイムラグ」の問題である。
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