煮る、揚げる、焼く、茹でる。自慢のコムウェアポークをさまざまな調理法で手間ひまかけて仕上げている。輸入豚と比べて倍以上の価格だが、「廃棄物を減らすCSR活動の一環としてぜひ取り入れたかった」(CSR推進室の福丸弘文さん)という想いのこもったポーク。ただ、メニューの価格は変えられないので「テルウェル東日本さんにはかなり無理を言ってしまいました」と福丸さんは苦笑してもいた。そのため、どこかにコストを抑える工夫をしているのではと想像していたが、見込みは良い方向に外れることとなった。
一番素材の旨みを感じたのは「豚バラの煮込み」。柔らかく、脂身もしつこさがない。「冷めても柔らかいし、おいしいんですよ」と福丸さん。「コムウェアポーク尽くし」という名の通り汁椀も含めて全てが豚を使った料理だが、食べ終わった後も胸焼け感やしつこさは全く感じない。野菜も豊富に使われていることと、コムウェアポークの素材の良さが理由なのだろう。
約10人のスタッフを束ねる24階特別食堂の料理長渡邊勝文さんは、「色合いのバランスは工夫しています。あとは、メインが柔らかいメニューなら小鉢はきんぴらなど歯ごたえのあるもの、というように、食べ応えのバランスも大事です」と話す。特別食堂とあって1日の平均食数は100食程度と、12階(約400食)・13階(約850食)に比べて少ないが、その分こだわりは強いのかもしれない。
CSR活動の一環
手間ひまかけたリサイクルの仕組み
コムウェアポークの取り組みが始まったのは2008年。NTTコムウェアでは、バイオ発電、会社近辺の清掃活動、マイカップ活動など、以前から積極的にCSR活動に取り組んできた経緯がある。アネックスビルを含むNTT品川TWINS全3ビルの7つの社員食堂から出る野菜くずや食べ残しの残渣量が月に平均で約6トンとなることに着目し、飼料としてリサイクルすることで廃棄物削減を図った。
約6トンの残渣の中から飼料に使えるものは20%ほど。これをアネックスビルの地下にある廃棄物集積場所に運んだ後、飼料化センターに移送。飼料化した後、埼玉県にある養豚場に送る。養豚場でこの飼料を食べた豚がコムウェアポークというわけだ。