2月の安倍総理訪米について、米国の論調は概ね好意的だったようですが、その中から、ブルッキングス研究所北東アジア政策研究センタ所長、リチャード・ブッシュの論説と、ワシントン・ポスト紙社説を紹介します。
まず、2月22日付のブッシュ論説は、安倍総理の伝えたかったメッセージは、日本は「帰って来た」ということであり、日本は第一級の国家だということである、と述べています。
すなわち、オバマは、安倍の任期中、強力なパートナーとなると言ったが、これは安倍の日本国内における政治的立場を強化しよう。
TPPについては、米国が、交渉の始まる前から、日本は基本的な譲歩をしなくて良いと保障したことにより、事態に進展が見られた。
自民党は、七月の参議院選挙でねじれを解決したいので、その前には大胆な措置を取ろうとしていない。
したがって、今回の首脳会談では期待できなかったが、米国が日本に期待することは多い。米国は、日本が東アジアにおける平和、安定、繁栄のための負担を負うことを期待し、また、中国の興隆に対してどう対処するか、密接に協調することを望んでいる。それに対して安倍は、安全保障のためと国際的役割を果たすために新たな行動を取ることを約束している。
安倍が言いたかったことは、以下に尽きる。
日本は帰って来た。そして、アメリカ人の中にはそれに懐疑的な人も居ようが、日本は第一級の国家である、ということである、と論じています。
一方、2月24日付WP社説は、中国の挑発的行動を抑えるには、中国に対して、そういうことをしていると中国の経済発展が阻害されると覚らせることと、日米同盟の強化が必要である。日本がTPP交渉に参加することは、日米同盟を強化する、と述べています。
すなわち、安倍首相によれば、中国共産党の拠って立つところは「平等」であったが、それは経済成長優先で失われ、残るのは、「高度成長」と「愛国主義」であるが、その愛国主義が反日を煽っている。