2月18日付米New York Times紙で、Martin Fackler同紙東京支局長は、安倍総理は、参議院選挙までは「安全運転」をしているようであるが、選挙後、改憲等に取り組み中国を刺激しないだろうか、と述べています。
すなわち、安倍総理は、就任以来、アジア諸国を刺激する言動は行なわず、国内経済の回復に集中して舵を切り、「安全運転」をしてきている。
これは、過去の失敗から学んだことと、次の参議院選挙を控えて、より多くの有権者の票を意識してのことである。
では、参議院選挙後、安倍総理はどうするのか。憲法を改正して、自衛隊を改組し、中国を刺激したり、日本の軍国主義に敏感なアジア地域での日本の孤立を招いたりするのか。
右派の議題をよそに「アベノミクス」と言う経済重視のやり方は功を奏しているが、これにも問題がある。公共投資重視では、財政赤字縮小にもならず、短期的成長は見込めても、持続可能な成長は望めないのではないか。そのためには、日本の競争力を向上させるような構造改革が必要だろう。その一つの方策は、TPPに入ることだろう。
日中間の尖閣問題を考えると、安倍政権にとって、日米関係強化は極めて重要な課題である。しかし、安倍氏に穏健でいてほしいと考える大多数の有権者は、改憲等の次なるステップに反対するかもしれない、と述べています。
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日本の情勢と安倍内閣の現在の方針を良く見ている論説です。安倍内閣が参議院選挙までは安全運転と言うのは、日本観察者の中では既に常識となっているようで、それについて是非の議論はありません。