2024年7月18日(木)

知られざる「移民社会」ニッポンの現実

2013年4月11日

エレベーターで尿 マナーの違い

 また、日本一チャイナタウン化が進行している埼玉県川口市の芝園団地でも2400世帯のうち3分の1が中国人世帯となり、こちらも地元住民との間に生活様式や習慣の違いから衝突が起きている。ごみ捨てのルールを守らない、分別せずに出す、生ごみを放置する、部屋の窓から外へごみを捨てる、エレベーター内や踊り場で尿をする、階段に汚物がしてあるなどのマナーの悪さが、自治会で問題となっている。

 また、中国人以外でもさまざまな問題が既に発生しているが、その一つが北関東のあるカトリック教会だ。教会の運用は、日本人信者の寄付や奉仕活動で成り立っているが、90パーセント以上に昇るフィリピン人利用者たちが、寄付も奉仕活動もほとんどしないため、日本人の信者たちとトラブルになっているという。

 何度か話し合いがもたれているものの、日本語を話せないフィリピン人が多く、日本人信者も英語が話せないため、話し合いがなかなか進まないそうだ。こういった状況に日本人信者が馴染めずに、教会に通うのを止めたり、他の教会に移ってしまったりするケースもある。

 以上の問題は、いずれも今後の日本がアジア系外国人移民を受け入れるのかどうか、また、どのように受け入れるのかを判断する上で、大きな試金石となるだろう。今後はさらに外国人労働者の増加によって生じたメリットとデメリットの両面を取り上げ、この問題を掘り下げていきたい。

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