2024年7月16日(火)

Wedge SPECIAL REPORT

2022年7月8日

待遇を改善すれば
日本人だけでも充足できる

出井康博(Yasuhiro Idei)
ジャーナリスト
1965年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『THE NIKKEI WEEKLY』の記者を経て独立。著書に、『松下政経塾とは何か』『長寿大国の虚構―外国人介護士の現場を追う―』(共に新潮社)、『ルポ ニッポン絶望工場』(講談社+α新書)、『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)など。 (WEDGE)

出井 私は07年から外国人労働者の取材を始めた。この間、気になるのは、政府が08年に始めた「留学生30万人計画」によって、ふたを開けてみれば、労働目的の〝偽装〟留学生ばかりが増えたことや、技能実習から特定技能など、受け入れがなし崩し的に拡大していることである。

倉田 多くの受け入れ国では、外国人労働者を受け入れる前に「労働市場テスト」を行っている。まずは、国内の自国民に募集し、本当に応募がない、あるいは募集定員に満たない分野に限って、上限を決めたうえで、受け入れるというものだ。私個人としては、看護師、介護士などエッセンシャルワーカーと呼ばれる職業などは、待遇改善を進めることで、日本人の労働力だけでも充足する可能性があるのではないかと考えている。

 また、……

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Wedge 2022年7月号より
日本を目指す外国人労働者 これ以上便利使いするな
日本を目指す外国人労働者 これ以上便利使いするな

“人手不足”に喘ぐ日本で、頻繁に取り上げられるフレーズがある。「外国人労働者がいなければ日本(社会)は成り立たない」というものだ。しかし、外国人労働者に依存し続けることで、日本の本当の課題から目を背けていないか?ご都合主義の外国人労働者受け入れに終止符を打たなければ、将来に大きな禍根を残すことになる。


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