「Wedge」2022年7月号に掲載されている特集「日本を目指す外国人労働者 これ以上便利使いするな」記事の内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
外国人技能実習制度の創設から間もなく30年を迎える。同制度は長年、趣旨(=途上国への技術移転による国際貢献)と実態(=日本国内の人手不足の補完)の乖離が指摘されている。さらに、監理団体、送り出し機関、地域・職種・国をベースにして作られた団体などの「合法的」な仲介者が、斡旋費、監理費などを徴収し、利益を生み出す「商業ベース」の構造が整備・温存されてきた。
このいびつな構造から脱却するにはどうすべきなのか。かつて、日本と同様の構造を解体し、「単純労働の外国人労働者は受け入れない」という従来の移民政策を大転換した韓国を例にとりながら、考えてみたい。
韓国で外国人労働者問題が政策課題として取り上げられるようになったのは、1980年代半ばからである。その背景には急速に人手不足が進んだ製造業・建設業で、観光などの短期滞在で入国したアジア諸国の外国人が単純労働に従事する「未登録状態の就労」が急増したことがある。