2024年7月16日(火)

Wedge SPECIAL REPORT

2022年7月3日

韓国も日本同様の課題に直面
国民の声が〝大転換〟の契機に

 韓国では、現在の日本と同様、「移民政策はとらない」という方針があり、外国人労働者を正面から受け入れる制度がなかった。だが、未登録労働者、いわゆる「不法就労者」の削減と人手不足に悩む中小製造業からの外国人労働者の受け入れ要請は日増しに強くなっていく。そこで、韓国政府は、「『学ぶ』ことを目的とした外国人を受け入れる」という日本の研修制度のレトリックを採用した「外国人産業研修制度」を導入したのである。

 同制度では、研修生である外国人は労働関係法令の対象とみなされず、送り出し・受け入れの業務は民間の団体が担っていた。これにより、日本の技能実習制度で問題視される外出禁止やパスポートの取り上げなどの人権問題、最低賃金より低い研修手当、渡航に要する高額の手数料など、民間業者のさまざまな不正問題が絶えず発生したのである。

 高額な出入国費用や中間搾取で多額の借金を抱えるようになった多くの研修生は、……

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Wedge 2022年7月号より
日本を目指す外国人労働者 これ以上便利使いするな
日本を目指す外国人労働者 これ以上便利使いするな

“人手不足”に喘ぐ日本で、頻繁に取り上げられるフレーズがある。「外国人労働者がいなければ日本(社会)は成り立たない」というものだ。しかし、外国人労働者に依存し続けることで、日本の本当の課題から目を背けていないか?ご都合主義の外国人労働者受け入れに終止符を打たなければ、将来に大きな禍根を残すことになる。


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