2022年8月14日(日)

BBC News

2022年7月21日

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イギリスのティーンエージャーは従来のメディアよりも、TikTok(ティックトック)やインスタグラム、ユーチューブなどでニュースを読んだり見る機会が増えているという。イギリス通信業界の独立監視機関、放送通信庁(Ofcom、オフコム)が21日、イギリスにおけるニュース消費行動に関する年次報告を発表した。

オフコムによると、イギリスでTikTokでニュースコンテンツを消費する人の数は、2020年の80万人から、2022年には390万人に増えた。

13歳以上のティーンエージャーの間では、29%がニュースを得る媒体としてインスタグラムを活用しており、続いて人気の媒体は動画投稿アプリのTikTokと、動画投稿サイトのユーチューブだった。

それより上の年齢層では依然として、主に紙媒体やテレビ、ラジオでニュースを消費していた。

オフコムによると、イギリスでTikTokでニュースを消費している人の数は今では、英民放スカイ・ニュースのウェブサイトとアプリを使っている人数と同水準になった。

オフコムの調査に参加したTikTok利用者たちの間では、「自分がフォローするほかの人」からニュースを得ていると答えたのが47%で、報道機関のアカウントから得ていると答えた人は24%だった。

TikTok発の話題がニュースになることも増えている。17日に英南西部カーディフの路上で男性にしつこく話しかけられ、いやがらせをされた22歳女性が、その様子の動画を投稿したところ、200万回以上再生され、BBCをはじめ複数のメディアが取り上げた。

大勢の注目を集めた米俳優ジョニー・デップさんと同アンバー・ハードさんの名誉棄損訴訟については、多くの利用者がユーチューブで裁判の中継を見た後、その動画の一部をクリップとしてTikTokに投稿していた。

新聞やテレビよりもSNS

オフコムの戦略研究担当イーチョン・テー局長は、今のティーンエージャーが「新聞を手にしたり、テレビのニュース番組をつけたり」することは珍しくなり、むしろソーシャルメディアのタイムラインをスクロールすることで情報を得ることの方が多いと説明した。

「若者はソーシャルメディアで見つけるニュースはあまり信用できないと感じているものの、その日の話題について幅広い意見を見ることができるという面でソーシャルメディアを評価している」のだという。

ただし、TikTokの人気は上昇しているものの、オフコム調査に参加した若者のうち、TikTok経由で見つけたニュースの中身を実際に信用していると答えたのは3割未満だった。

従来型メディアの利用減は加速

オフコムの調査は、従来型メディアの利用者減少が、とりわけ若い人々の間で加速していることも示した。

かつてイギリスの若者の間でニュース媒体として最も人気の高かったBBC OneとBBC Twoのテレビチャンネルは、今回は5位に順位を下げた。

調査対象の若者のうち、昨年ニュースを見るためにBBCの2つのテレビチャンネルを利用したと答えたのは24%で、5年前の45%から約半分に減った。

一方、イギリスの成人の間では今もBBC Oneが最も利用されるニュース媒体だという結果は変わらなかった。

成人では、テレビのニュースが最も信用できると答えた人が71%を占めたのに対し、ソーシャルメディアのニュースが最も信用できると答えたのは35%にとどまった。

テレビ局別には、CNNが最も信用できると答えた人が83%、スカイニュースと答えた人が75%、BBCは73%、ITVは70%だった。

新規参入した放送局GBニュースの視聴者のうち、67%が報道内容を信用できると答えた。

全般的な視聴者数では、BBC、ITV、スカイニュースといった従来型の放送局は減少を続け、パンデミック以前より数字を下げている。

紙やオンラインの新聞を読むと答えた成人は38%で、減少傾向が続いた。2020年には47%、2018年には51%だった。

新聞のオンライン版を除外し、ニュースを紙の新聞のみで得ていると答えた人の割合は、24%と、こちらも2020年の35%から減少した。

新聞を読むと答えるティーンエージャーの割合は、過去5年間で19%から13%に減っている。


<解説> デイヴィッド・シリトー、メディア・アート担当編集委員

ティーンエージャーがTikTokやインスタグラムでニュースを得ているというのは、おそらく意外ではないだろう。むしろBBC Oneが2020年まで、若者の間で一番のニュースソースで、今でも「最も大事なニュース源」の1位だということの方が驚きだ。オフコムによるとティーンエージャーの59%が、今でもテレビで多少はニュースを見ると答えている。

しかし、どのニュース媒体の影響力が最も強いのかに興味がある人には、今回のオフコム報告は興味深い。

紙の新聞の読者が減り続けているのはもう何年も明らかだったが、ここ2年での急減は予想外だ。2020年には人口(大多数は55歳以上)の35%がまだ新聞を読んでいたが、それが約3割減の24%にまで減っていた。

どうやら、新聞配達や、新聞を買いにちょっとそこまで出かけるという以前の習慣が、新型コロナウイルスに大きく妨害されたようだ。

そして、オンライン版の読者数が紙面の読者減少を補うと期待していた人にも、残念な知らせだ。新聞のオンライン版の読者数も、わずかながら減少している(人口の20%から19%に)。

ただしこれだけでは、ニュースの地平を占める肝心の部分が抜け落ちている。その点も留意する必要がある。どのニュースが大事かそうでないかのアジェンダ設定では今でも、新聞の一面やニュースサイトのトップ画面の影響力が大きい。

インスタグラムやTikTokはニュースを消費する媒体として人気だが、そこで扱われる話題の多くは、いわゆる伝統的な新聞社から発信されるものだ。

そして、つい忘れられがちだが、ティーンエージャーにとって最大のニュース源はインスタグラムではなく、家族なのだ(65%がこう答えている)。そして、10代の若者の両親はおそらくまだ、ニュース取得をインスタグラムに頼り切ってはいないはずだ。

(英語記事 Teens turning to TikTok and Instagram for news, Ofcom says

提供元:https://www.bbc.com/japanese/62249009

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