生活者目線で課題解決
マップ制作に参加した大学生は「観光協会の人たちは皆楽しんで取り組んでいる。友達とは『就職したら一生社畜だよな』と話しているけれど、こうした姿を見ていると早く就職したくなる」と話すなど、学生たちにも良い刺激になっている。
とはいえ、補助金を受けていない以上、収益源の確保が喫緊の課題。マップや「冬のさくら」では宮島理事長ら幹部が区内有力企業を回り、協賛金を集めて費用を賄った。観光協会では3月下旬から地域情報発信アプリの代理店となり、地元店や大学生を巻き込んで、急増するランチ難民を解決するための新事業を始める計画だ。また、ゲーム「パックマン」を中野の街で実際に行うイベントも検討中だ。
普通の観光協会なら多額の補助金をもとに観光案内所や外国人向けの案内板をつくるなど「箱モノ」を整備する方向に走る。だが、中野区観光協会は地域住民が生活者の目線で地域のトレンドやタイムリーな課題を見つけ、それを解決しようと動いている。こうした草の根活動を積み重ねることが、「中野に来た人々の消費活動を新宿へ流出させない」という観光協会設立時の目標への近道かもしれない。
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