「地域振興券」のような従来型の紙の地域通貨と比べてスマホひとつで持ち運べ、使用店舗での記帳管理といった運営の手間もかからない。利用促進のため、集めたコインには最大180日間の有効期限が設定されるほか、地域通貨(まちのコイン)から法定通貨(日本円)への交換は行わず、地域内での活動のみにコインが循環することで導入地域に対する正の経済効果を生むことができる。導入支援のための初期費用300万円・月額10万円から利用でき、小田原市の「おだちん」、滋賀県の「ビワコ」など、地域で親しまれやすい通貨名称を独自に名付けられるのも魅力的だ。
滋賀への移住希望者にも
潜在的な魅力を伝えたい
「これまで地域に眠っていた人や土地の潜在的な魅力を多くの人に届ける。『まちのコイン』に期待するのはそうした〝発信力〟だ」と話すのは、滋賀県総務部市町振興課の矢野浩輝氏だ。同県は22年7月からまちのコインの提供を開始した。長浜市、近江八幡市、日野町の3市町での導入を端緒に、今後は他の自治体への普及拡大を見込む。県全域での導入は、全国の都道府県で初めてとなる。
きっかけは……
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