2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年5月17日

 米中双方ともに冷戦のイメージは避けたいだろうが、米ソはマルタ、ウィーン、レイキャビックで会談をしてきた。同じように米中の指導者同士が会って、地球の運命を話せばよい、と論じています。

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 このキャンベルの論説は米中対話のあり方に関するもので、必ずしも、米中関係そのものを論じたものではありません。アジア担当国務次官補退任間もないキャンベルの論説にしては、中身にいささか乏しい感があります。何を話すかが最も重要で、会合のあり方など、二の次の話のように思われますし、対話のフォーマットで米中関係の問題が左右されることはないのではないでしょうか。

 ここでキャンベルは米中関係の重要性を強調していますが、米中で今後の世界を取り仕切っていくG-2の考えが背後に見られ、感心しません。そういう世界にはならないでしょう。多極化世界という未来像から現在を考える方がより現実的で、その場合も、米国の力は一極支配にはならないにせよ圧倒的でしょう。

 キャンベルは、親日的で信頼を置くことのできる人物ですが、この論説には中国を過大評価する甘さが見られるように思われます。

ただ、キャンベルがこういう考え方であることは、ワシントンではこういう考え方が力を得ていることを示すものであり、注意する必要があります。

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