言ってみれば、オバマ大統領を喜ばせて首脳会談を成功させるためには、習主席は実に大変な「宿題」を持ち帰ったということである。
習近平の抱える「ジレンマ」
場合によって中国はまた、前述したサイバー攻撃対応の「誤魔化し策」と同様、北朝鮮にお灸を据える程度の「制裁措置」をとることで米大統領との約束を果たしたこととして、基本的に北朝鮮の体制温存の道を選ぶ可能性も大であろうが、しかしそれでは、オバマ大統領との信頼関係作りも「新型大国関係の構築」もまったく無理であることは明らかだ。
言ってみれば、自分の力では解決できそうもない宿題を中国に持ち帰った習近平国家主席は、今や深刻なジレンマに陥っているのであり、カリフォルニア州の保養施設で大変な厚遇と歓待を楽しんできた彼は今後、自らの抱えるジレンマの中で苦しんでいかなければならないのである。
そして一旦、習主席は持ち帰った宿題を満足に解決できなくなってオバマ大統領を失望させてアメリカからの信頼を失ってしまうようなこととなれば、アメリカを相手にした中国の「大国外交」は結局失敗に終わってしまうことは明らかである。
さて習主席は一体どうするのか、まさにこれからの見どころである。
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