2023年1月30日(月)

BBC News

2023年1月3日

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ウクライナのウォロデイミル・ゼレンスキー大統領は2日、ロシアがイラン製ドローンによる攻撃を長期的に続け、ウクライナ国民を疲弊させようとしていることが分かったと述べた。前日1日にはウクライナ軍が、東部ドネツク州マキイウカのロシア軍臨時兵舎をミサイルで攻撃。ウクライナはロシア兵400人が死亡したとしており、ロシア側も63人の兵士が死亡したと認めている。

ゼレンスキー大統領は首都キーウから毎晩定例の演説で、ロシアがイラン製シャヘド・ドローンによる攻撃を継続し、ウクライナを「疲れ果てさせよう」としていると示す機密情報を得たと話した。

「テロリストたちのこの目標を、ほかの目標と同じように、必ず失敗させなくてはならないし、そのために我々は全力を尽くす」とゼレンスキー氏は述べ、「防空にかかわる全員は今こそ、とりわけ注意しなくてはならない」と呼びかけた。

大統領はさらに、新年になってウクライナ軍はすでにイラン製ドローンを80機以上、撃墜したと話した。

ロシアの兵舎を攻撃

これに先立ちウクライナ軍は、ロシア占領下の東部ドネツク州マキイウカにあるロシア軍臨時兵舎を攻撃したと認めた。1日の攻撃について、ウクライナ側はロシア兵400人が死亡したと主張。ロシア側は、死亡したロシア兵は63人だとしている。

被害の規模について、双方の主張とも第三者による検証ができない状況となっている。ロシア政府が戦死者が出たことを認めるのはきわめて異例。昨年2月に戦争が始まって以来、個別の攻撃で犠牲になったとロシアが認める兵の人数としては、最も多い。

BBCのスティーヴ・ローゼンバーグ・ロシア編集長は、あまりに大勢が死亡しただけに、ロシア政府としても沈黙を守ることはできなかったのだろうと指摘する。

ロシア国防省は2日、ウクライナ軍がアメリカ製の高機動ロケット砲システム「ハイマース」を使用し、ロシア軍兵舎へロケット砲6発を撃ち込んだと発表した。2発を迎撃したという。

親ロシア派の軍事ブロガーとして知られるイーゴリ・ギルキン被告は、兵舎が「ほぼ全壊」し、被害に遭った兵のほとんどが動員兵だと、通信アプリ「テレグラム」に書いた。兵舎には砲弾や弾薬も保管されていたため、被害が大きくなったという。

「軍の装備は何の偽装もないまま、兵舎の横に置かれていて、ほぼすべてが破壊された」と、ギルキン被告は書いている。

ギルキン被告は、ウクライナ東部ドネツク州の親ロシア派元幹部。2014年に298人が死亡したマレーシア航空機撃墜事件について国際捜査団の捜査の末にオランダで起訴され、昨年11月にハーグで有罪判決を受けている。被告はこれまでにしばしば、ロシア軍の幹部や戦術を批判している。

ウクライナ軍は当初、兵舎攻撃でロシア兵400人が死亡したほか、300人が負傷したと発表。ウクライナ軍はほぼ毎日のように、ロシア兵を数十人、時には数百人、殺害したと主張している。

ウクライナ軍司令部は後に、この攻撃で「敵軍の装備を最大10ユニット」「破壊もしくは損傷」させたと説明。また「占領者の人員喪失について、規模を特定中」だと述べた。

ウクライナは、兵舎攻撃にハイマースを使ったか明らかにしていない。ウクライナは以前から、攻撃方法について具体的な詳細を明かさない方針を貫いている。

ロシアがキーウ州を攻撃

マキイウカの兵舎攻撃から数時間後、ロシア軍がドローンとミサイルと州内の重要インフラを立て続けに攻撃した。キーウ州が発表した。

首都キーウでは、撃墜されたロシアのドローンの破片で男性1人が負傷したという。

キーウ州のオレクシー・クレバ知事は、攻撃に使われたのはイラン製シャへド・ドローンで、「重要インフラ施設を標的に指定していた」と述べた。

ウクライナ軍によると、イラン製ドローン39機はすべて撃墜したという。

ただし、首都キーウのヴィタリー・クリチコ市長によると、エネルギー施設が被害にあい、電気や暖房に影響が出ている。

ロシアは昨年秋からウクライナのエネルギー・インフラを標的に砲撃を続け、発電所などを破壊している。

(英語記事 Russia plans to 'exhaust' Ukraine with prolonged attacks - Zelensky / Ukraine claims hundreds of Russians killed by missile attack

提供元:https://www.bbc.com/japanese/64149119


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