2023年1月30日(月)

BBC News

2023年1月5日

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イラン各地で続く反政府抗議を支持し、逮捕された同国のトップ俳優の1人、タラネ・アリドゥスティさん(38)が4日、釈放された。

アリドゥスティさんは先月、スカーフを被っていない自分の写真をソーシャルメディアに投稿し、反政府抗議の参加者が処刑されたことを非難した。その後、「扇動的な内容を投稿」したとして逮捕されていた。

4日に釈放されたアリドゥスティさんは、首都テヘランのエヴィン刑務所の外で友人たちに出迎えられた。写真には、髪の毛を隠していないアリドゥスティさんが写っている。

イランでは俳優やミュージシャンなど多くの著名人が、反政府抗議への支持を表明している。

この抗議行動は、昨年9月に髪の毛を覆うよう女性に義務づけた法律に違反したとして、クルド系女性のマサ・アミニさん(22)が道徳警察に逮捕され、その後に死亡した事件がきっかけ。

イラン当局は外国勢力の支援を受けた「暴動」だとして、殺傷能力のある武器などで対応している。

イランの人権活動家通信(HRANA)によると、これまでに子供70人を含む少なくとも516人のデモ参加者が死亡し、1万9250人が逮捕されている。また、保安要員68人の死亡も報告されている。

先月には、デモ参加者2人が「神への敵意」というあいまいな国家安全保障上の罪で有罪となり、処刑された

複数の人権団体は2人の裁判について、重大な誤審だと非難した。2人は拷問を受けて自白させられ、自ら選んだ弁護士へのアクセスも奪われていたと報じられている。

司法当局は先月8日、モフセン・シェカリ氏(23)の絞首刑を執行したと発表した。デモ参加者が処刑されたのはこれが初めてだった。

アリドゥスティさんはシェカリ氏が処刑されたことについて声を上げるよう人々に求めた。

「彼の名前はモフセン・シェカリだった。この流血の事態を眺めて何も行動しないすべての国際組織は、人道に対する恥さらしだ」と、自分のインスタグラム・アカウントに投稿した。800万人以上がフォローしていたが、アカウントは最近になって削除された。

昨年11月には、反政府抗議のスローガン「女性、命、自由」が書かれた紙を手に、ヒジャブを外した写真をインスタグラムに投稿した。

イラン国営通信IRNAによると、警察はアリドゥスティさんが「自分の主張を支える書類」を提出しなかったため、逮捕に踏み切ったという。

アリドゥスティさんイランで最も成功した女優の1人で、2017年2月に米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「セールスマン」に主演していた。

当局の弾圧により死亡したデモ参加者の遺族を支援するためにキャリアを一時中断し、いかなる代償を払ってでもイラン国内に留まると誓っていた。

デモを支持していたイランの著名な女優ヘンガメフ・ガジアニさんとカタヨウン・リアヒさんも、昨年11月に逮捕され、後に釈放されている。

イランをめぐるその他の動き

こうした中、イラン政府は4日、フランスの風刺週刊紙「シャルリ・エブド」がイランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師の風刺画を掲載したことを受け、「断固とした対応」を取ると誓った。

シャルリ・エブドは先月、「自由のために戦うイラン人の苦闘を支援する」ためのコンテストを立ち上げた。すると、300作以上もの風刺画が寄せられたと同時に「数千件の脅迫」も受けたという。

イランのホセイン・アミール・アブドラヒアン外相は、「(イランの)宗教的・政治的権威に対するフランスの出版社の侮辱的かつ攻撃的な風刺画の公開は、効果的で断固とした対応を受けずには済まない」とツイートした。

他方、イランの最高裁判所は昨年11月にテヘラン近郊のカラジで準軍事組織のメンバーを殺害したとして、「地上に腐敗を広めた罪」で男性2人に下された死刑判決を支持する判断を示した。

最高裁は、拷問により虚偽の自白をさせられたと主張するモハマド・メフディ・カラミ氏とセイエド・モハマド・ホッセイニ氏の上訴を退けた。同事件で死刑を宣告されたハミド・ガレ=ハサンロウ氏ら3人の共同被告については再審が命じられた。

(英語記事 Iran releases top actress who supported protests

提供元:https://www.bbc.com/japanese/64159960


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