
ジョー・バイデン米大統領の私的オフィスで副大統領時代の政府文書が見つかった問題で、バイデン氏の側近が別の場所でも機密文書の束を新たに発見したことが、11日に明らかになった。
新たな機密文書をいつどこでバイデン氏の側近が発見したのかは分かっていない。
バイデン氏をめぐっては米ホワイトハウスが9日、同氏が以前シンクタンクに置いていた事務所から、機密扱いの可能性があるバラク・オバマ政権時代の文書が見つかり、米司法省が調査していると発表した。
バイデン氏の弁護士によると、同氏の法務チームは昨年11月、首都ワシントンのシンクタンク「ペン・バイデン・センター」にあった事務所の鍵のかかった戸棚から、同氏が副大統領だった時期の文書を10点ほど発見。書類は米国立公文書館に移管された。
バイデン氏は、ホワイトハウスから2キロほどの場所にあるこの事務所を、2017~2020年に使用していた。
文書の発見については、今週まで公表していなかった。
それらの文書にはウクライナやイラン、イギリスに関する米情報機関のメモやブリーフィング資料が含まれていると伝えられている。
ホワイトハウスのカリーヌ・ジャン=ピエール報道官は11日の記者会見で、最初に見つかった文書に関する質問への回答を避けた。
「本件は司法省が調査している」とし、「私は大統領が昨日話した以上の説明をするつもりはない」と述べた。
下院委がバイデン氏を調査
バイデン氏は10日、文書が見つかったことに「驚いた」、司法省の調査に「協力している」と述べた。
野党・共和党が4年ぶりに多数派となった連邦議会下院の監視・政府改革委員会のジェイムズ・コマー委員長(共和党)は11日、「民主党によるワシントンでの一党支配がなくなったいま、監視と説明責任が求められている」と述べた。
同委員会は機密文書に関連する文書や、やり取りの内容を引き渡すようホワイトハウスに求めるなど、バイデン氏とその家族に対する調査に乗り出している。
大統領記録法では、機密文書を含むホワイトハウスのすべての記録を、大統領は任期満了時に国立公文書館に引き渡すことが義務づけられている。
ホワイトハウスは、バイデン氏の弁護士がシンクタンクの事務所で回収された機密文書について速やかに国立公文書館へ通知し、翌朝には同館に文書が移されたとしている。
トランプ前大統領と機密文書
ドナルド・トランプ前大統領も昨年、フロリダ州の邸宅に任期中の機密文書を持ち込んでいたことが発覚し、米連邦捜査局(FBI)などの捜査を受けている。
FBI捜査官は昨年8月、私邸兼リゾート施設「マール・ア・ラーゴ」を家宅捜索し、国立公文書館に引き渡していない政府文書1万点以上を押収した。これには「最高機密」と指定された文書18点など約300点の機密文書も含まれる。
司法省はFBIの家宅捜索に先立ち、トランプ氏に機密文書の返還を求める召喚状を出していた。