社食に企業の想いあり

2013年7月10日

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小川たまか (おがわ・たまか)

フリーライター

1980年東京生まれ。教育、働き方、性暴力などを取材。『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』(2018年/タバブックス)。Yahoo!個人「小川たまかのたまたま生きてる」(https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/)などで執筆。Twitter:@ogawatam

 正直な話、外食してこのシンプルさだったら、「物足りない」と感じてしまうかもしれない。しかし、仲間と一緒に囲むこの食卓なら、しっかりと満足感を得られる。仕事の合間の食事は、どうしても「手短にお腹いっぱいになること」を優先してしまうが、1食の食事で、実はそれほどの量は必要ないのかもしれないと気づく。量や味も大切だが、食べる場所とその雰囲気も大切なこと。食べる環境が充実していれば、食べ過ぎや過剰な味付けを好む偏食も防げそうだ。

キッチンでのコミュニケーションが
業務にも効果を与える

取材時に他のグループが作っていたカレー

 社内キッチンには、業務自体にもメリットをもたらした。

 「食のフォトグラファーにとって大切なのは、その食材やメニューをどう撮ったら多くの人に『おいしそう』と思ってもらえるか、それを知っていること。料理の撮影は一瞬の勝負でもあります。フォトグラファーと一緒に料理をすることで、合間合間に教えてもらう食材への知識はアシスタントにとってためになっていると思います。一緒に食卓を囲むことで、社内全体の食への関心が高まっているのでは」(計盛さん)

 野菜をシャキッとさせる方法、パイナップルの切り方、ネギを細かく刻む上手いやり方、特製ドレッシングの作り方、50度洗いを失敗しない方法、煮込み料理の一番おいしい瞬間…。料理を作りながら、食事をしながら、食に関するさまざまな会話を交わす。このコミュニケーションが、ヒュー社を包む暖かい雰囲気の理由なのかもしれない。食を仕事にしている人だからこそ、毎日の食にこだわる。誰に強制されるわけでもなく、ヒュー社のスタッフは食事を楽しんでいる。


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