監督の岡本喜八(1924〜2005年)は米子市。喜劇にアクションものに才気煥発で、「日本のいちばん長い日」(1967年)をはじめとする戦争映画の大作をヒットさせたが,戦争と軍隊を痛烈に茶化した「肉弾」(1968年)には才気以上の痛切な作家的主張がこもっていた。
戦後の日活の全盛期に「伊豆の踊り子」(1963年)や「絶唱」(1966年)など、もっぱら名作のリメークをやっていた西河克己監督(1918〜2010年)は八頭郡智頭町出身。リメーク映画では作家としては認められなかったが、いずれも堅実な出来であった。
プロデューサーではオフィス北野の社長として北野武監督の映画製作を仕切っている森昌行が鳥取市の出身である。人気者のマネージメントはいいが、あれだけ奔放に異色の映画を作る監督の製作面を仕切るなんて、実力と見識がないとやれないことである。 (次回は滋賀県)
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